2017年9月11日

【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】

~システム企画においてコンサルタントはどのような時に有効か①~

これまで二十数回に亘って情報システム構築について、特にシステム企画を中心にみてきました。当社は外部専門家として、組織目的に沿った情報活用環境を構築するために、システム企画やその他のフェーズにおけるコンサルティングサービスを提供しています。これから、コンサルティングの効用、そのシステム企画における有効性について記してみたいと思います。

ある組織が外部に支援を求めるケースには様々なものがありますが、それが依頼先に対する報酬の支払いを伴うものである場合は、その支援を受けることによって得られる効果の大きさが、出費を考慮したとしても、支援を受けない場合に比べて大きい場合となります。この場合の効果の大きさは「望ましい状態の実現度合い」であり、問題=理想-現実 と考えると「問題解決の度合い」ということです。

問題を「理想と現実の差」としたとき、「あらゆる問題が解決された状態」はないと考えられます。変化し続ける環境の中にあって存続を望む組織と個人は常に何かを求め続けることとなり、理想と現実の差は常に存在するのです。

第1番の問題を取り除くと、第2番が昇進する・・・ルーディーのタバガ法則(G.M.ワインバーグ「コンサルタントの秘密」1990年共立出版株式会社)

「問題は常に存在し、保有資源は限られている」となると、より効率的に理想に近づくための選択肢としては以下のものが考えられます。

(1)問題解決に使える資源を増やす

(2)有効な方法を用いる

(3)問題を減らす

問題=理想-現実 であるとき、(1)と(2)とは、現実の値を高めて問題を解決しよう(理想と現実の差をなくそう)というアプローチです。(1)に対しては人手を、(2)に対してはノウハウを充てることがまず考えられ、コンサルタントの起用が有効である可能性があります(2016/9/5石井健作のコラム参照)。(3)は「理想を下げる」または「その状態を目指さなくてもよいことにする」ことにより、理想と現実との差をなくそうということで、さらに以下の2つに分かれます。

a.独立したある問題について、理想を下げる

b.関連する複数の問題のうち、その一部を解決すれば他の問題も解決するものを選んで解決する

「a」や「b」の選択を行うために人手やノウハウが必要となる際には、ここでもコンサルタントが有効に機能する可能性があります。

2017年9月