2021年12月13日

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

バッテリーとACアダプタ

以前(2021/6/21)、スマートフォンやタブレット型端末などでバッテリーが本体に埋め込み式の場合、性能が劣化したり寿命に達した場合に簡単な交換ができない構造になっているため、内蔵バッテリーの寿命と本体製品の寿命が等しいという話を書いたことがあります。

最近の機器に内蔵されているリチウムイオンバッテリーに限らず、バッテリーの内部は危険な化学物質のため廃棄する場合には不燃ゴミといった一般的な処分方法は不適切で、適切な方法で廃棄する必要があります。スマートフォンやタブレットを携帯電話キャリアで購入した場合は、大抵の店舗で引き取ってもらうことが可能なようですし、新しい機種を購入する際に下取りで引き取ってもらえる場合もあります。自治体によっては専門の業者と提携してPCやスマートフォン、タブレット、場合によってはプリンタまで無料で引き取ってもらえるところもあるようなので、居住している自治体のWebサイトでそういった案内があれば、この方法も手軽な方法として利用可能です。

こういったルート以外にも身近にある場合に限るでしょうが、PC関連のリサイクルショップで処分するという方法も考えられます。再販売ができそうもない古いモデルや、そもそもバッテリーが上がってしまっているような機器までは引き取ってもらえないので、このルートはバッテリーがまだ十分に利用可能な状態でないと難しいかもしれません。自分の手元にも使わなくなってバッテリーの性能が怪しくなった機器を何台か死蔵しているのでそろそろ処分しなければと考えているところです。

こういったタイプのバッテリー内蔵型の機器について、これは処分の話ではなく、購入する際に注意しておくべきだなと、最近いくつか考えさせられることがありました。

バッテリーに充電するにせよ、外部電源で使用するにせよ機器とAC電源の間にACアダプタを挟んで電源を供給するわけですが、コンセントなどの外部AC電源との接続には日常ありふれた二極の電源プラグが一般的です。これに対して、機器側のコネクタには様々な形状が存在します。個人的な経験の範囲ですが、外部電源にUSBが使われるようになるまではサイズの大小はあるにせよ、金属の筒の中に分が入っている電源プラグが一般的でした。

このプラグに加えてUSB機器が出回り始めるとACアダプタ側はUSBというとすぐに連想するであろうType-Aのコネクタが採用されても機器との接続部分のコネクタにはMini-B、Micro-B、iPhoneなどのApple製品に採用されたLightningに加え、最近ではType-Cと様々な形状が存在しています。

これらについては元々の機器に付属していたACアダプタでなくても、供給可能な電力とコネクタ形状が適合していれば、メーカーの動作保証からは外れるものの相互に使い回しすることができるので、使わなくなった機器に付属していたケーブルを予備として利用することも可能です。

PCで昔ながらのプラグを使用したACアダプタを使用する場合、ほとんどはPC本体とACアダプタをセットにして使用することが多いのであまり混乱は起きないと思いますが、周辺機器の場合、何台かの機器を保有していると使っている間にアダプタやケーブルにメーカーのロゴでも入っていない限り、どれがどの製品に付属していたものかが判然としなくなってしまうことも往々にあります。Mini-BのつもりでMicro-Bのケーブルを使おうとして混乱したりすることもありますが、規格を間違えない限り問題なく利用できてしまいます。また、USBを採用したACアダプタの場合、規格に適合していれば純正品に限らずに互換品も出回っているため予備の調達も容易です。

最近のタブレット型や2in1型のPCの場合、初期はMicro-Bが主流でしたが、最近はType-Cを採用したものが増えています。こういった規格が採用されていれば、仮に何らかの不具合や故障が発生した場合でも互換品の調達が容易なことに加え、他の機器からの使い回しも可能です。ただし、一部のメーカーでは独自規格のケーブル・コネクタを採用していることがあります。例えばMicrosoftのSurfaceはUSB Type-CのコネクタがないSurface connectでしか充電できません。また、AppleのUSB Type-C採用前のMacは高額な純正品以外のACアダプタ互換製品の入手が困難です。こういったタイプの製品を使用する場合はACアダプタに故障が起きると予備の用意がないと充電できなくなり、メーカーの修理・交換などの対応が済むまで機器を使用できなくなるリスクがあります。製品選定の際には、こういったことも意識する必要があるでしょう。

2021年12月