2020年2月25日

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

~自宅引っ越しで回線移設を手配して~


このコラム、久しぶりにタイトル通りの引っ越しに関連したネタに遭遇しました。筆者、この週末に自宅の引っ越しを控えていてその準備真っ最中です。その準備として電話回線とインターネット接続の移設手配を行いましたが、その手配の中での話です。

自宅の通信環境ですが、最近では家電と呼ばれるNTT東日本の固定電話とフレッツ光ネクストを足回りにしたインターネット接続を利用しています。それぞれのインフラを引き込んだ事情やコスト分担の経緯により、NTTとの契約を固定電話は妻名義、インターネット接続は筆者名義として利用しているため、新居への移設手配の連絡はそれぞれがNTTに連絡することになりました。

電話は昔ながらの電話線、インターネットは音声用とは別に引き込んだアナログ固定電話のダイヤルアップからフレッツISDNを経て光ファイバーの引き込みと、物理的に別々のケーブルを引き込んで利用していましたが、現在の住居は光ファイバーを直接部屋に引き込むことができない集合住宅のため、居室に引き込まれた1本の電話線をモジュラー分岐コネクタで通常の電話機とVDSLモデムに分岐して使用する形態になっています。

さて、妻が固定電話の移設についてNTTに連絡したところ、「単純なメタル線移設ではなく、これを機会にフレッツ光ネクストを利用したひかり電話に切り替えないか、基本料金も劇的に安くなるから」と熱心に持ち掛けられ、「光ネクストだから合わせてインターネット接続も一緒にどうでしょう」とこれも熱心に勧められたそうです。インターネットについては夫名義の別回線契約なので判断できないし、単純に固定電話を使いたいだけなのに光に変える理由もメリットもよくわからないので、夫に相談してあらためて連絡しますということになりました。

電話を使うのに何で光なの?と不思議そうな顔でこの件について妻から話を聞きながら、そういえばNTTはメタルをやめたがっているんだったなと思い出しました。5年ほど前にバックボーンに関してはメタル線と交換機ベースのサービスの受付停止や終了予告などが相次いでいましたが、3年ほど前に現住所に移転した際にはメタル線ベースの現環境の移設がすんなり進んだのに、今回のひかり電話への勧誘の熱心さには局面が変わったという印象を受けました。

あらためて筆者から連絡を入れて妻に対応した担当者と話をしたところ、やはりできることならメタルではなく光に切り替えてもらいたいという姿勢が伝わってきました。分岐コネクタでアナログとデジタルを分けていたのをコネクタに比べると巨大になるものの、ホームゲイトウェイで分岐するということで、信号線の流れとしては基本的に同じといえば同じなので、NTTのご期待に沿うことにしました。

ただ一点、オーダーがまとまってからの確認で気づいたのですが、居室までVDSLで引き込むため、今までのアナログ回線なら当然だった局給電で電話機に電源を供給できなくなるため、停電の際、昔ながらの黒電話なら電話線に繋ぐだけでNTT側が生きていれば通話可能だったのができなくなり、残念な気持ちになりました。少なくともホームゲートウェイにUPSを追加しないといけなくなりますが、結構な値段になるのは確実なので、停電の時は「携帯電話があるさ」と納得するしかなさそうです。

2020年2月