2019年3月4日

【コンサルタント散歩】

~エビデンス作成の決め事について~

以前の記事(2018/10/2)でエビデンスの大切さのポイントとして、エビデンスは時間が経過したあとでも誰が見ても分かるように作成することや、各テスト担当者によってエビデンスの作成方法が違うとエビデンスを確認するのに労力がかかること、バグの見落としの原因になってしまうことをお伝えしました。そうならないためにもプログラムにコーディング規約があるようにエビデンスにもある程度の決め事は作っておいた方が良いと記載しました。今回はエビデンスにどのような決め事を作成すればよいのか、画面のテストに沿ってご説明いたします。

まずは、何をエビデンスとして残すのかを決めます。

例えば、画面のテストであればインプットの情報としてフリーウェアを使用してテスト画面を残すのか、Excelファイルに画面のハードコピーを貼り付けたものを残すなどを決めます。アウトプットとしては、インプットと同様にどのように画面のテスト結果を残すのか、データベースの情報をCSVファイルやExcelファイルで残すなどを決めます。このインプットとアウトプットを元に検証した結果をExcelファイルでまとめた内容で残すなどを決めます。

この3点のエビデンスについて、フォルダ階層やファイル名をどのように残すのかも合わせて決めます。

フォルダ階層としては、対象のテスト画面のフォルダを作成します。その配下にテストケース番号のフォルダを作成し、テストケースフォルダの配下にインプットフォルダとアウトプットフォルダを作成します。ファイル名としては、インプットの画面ハードコピーは、テストケース番号+連番のファイル、アウトプットの画面ハードコピーは、テストケース番号+連番、データベースの情報はテストケース番号+データベースのテーブル名で残します。検証した結果を残すExcelファイルはテストケース番号+検証結果で残します。

重要なのは検証した結果のExcelファイルの中身をどのように残すかです。

ここでの決め事は、シート名や各シート内容、各オブジェクトの使い方などがあります。シート名については、検証結果などの文言を付けます。テストの実施前と実施後でシートを分けるのであれば、実施前or実施後で分けます。各シート内容であれば、ヘッダにテストケース番号、実施者、実施日を記載するなどを決めます。テスト結果を印刷して確認する方もいると思いますので、印刷範囲の列を決めておくことも重要です。各オブジェクトについては、確認した箇所を正方形もしくは長方形のオブジェクトで囲み、枠は赤くする。矢印は線矢印、補足は吹き出し(角を丸めた四角形)にするなど、ケースによってどのオブジェクトで色は何色で線の太さはどのくらいにするのかを決めます。検証した結果のExcelファイルとしてひな型を用意する際に、オブジェクトのひな型も用意することをお勧めします。

テスト内容やプロジェクトによって状況は変わってくると思いますが、今回の内容を最低限決めておくことで、後々見やすく分かりやすいエビデンスを作成しやすくなります。是非皆さんも実践してみてください。

2019年3月