2023年822

【事務局コンサルタントのひとりごと】

全体と詳細を行き来する進捗管理

進捗管理をするときに必要なのがスケジュールですが、2つの視点を持つと良いと考えています。一つは全体スケジュールで、もう一つは詳細スケジュールです。 

全体スケジュール

調達フェーズであれば3~4か月、開発フェーズであれば半年~1年ほどのプロジェクトとなります。その期間の中で全体を見渡し、ざっくりとしたスケジュールを考えます。その時、役員会議での承認などこれをしないと先に進めないようなイベントがないか確認をしたり、本番稼働時期が必達であればそこから逆算したり、プロジェクトを進めるうえで重要なポイントとなるところを押さえましょう。また、出来上がったスケジュールと、プロジェクト以外の業務やメンバの休暇予定などを合わせて確認してみると、調整した方が良い工程も見えてきます。業務の繁忙期(1か月の中でどこが忙しいか、または何月が忙しいか)や、ゴールデンウィークや夏のお盆休みの時期は特に注意が必要です。

 

詳細スケジュール

全体のスケジュールが見えてきたら、日々行うタスクレベルまで業務を落とし込みます。例えば、「ヒアリング」という工程がありますが、それを分解していくと、

・ヒアリング対象者の検討・決定

・対象者とのスケジュール調整

・質問リストの用意(必要であれば事前に対象者に共有)

・ヒアリング実施

・ヒアリング議事録の作成・共有

など意外とやることは多いことが分かります。このようにタスクレベルに分解し、デイリーのスケジュールに落とし込んでいきます。定例会のように毎週定時で行っている打合せがあれば、決定する必要がある業務(例:上記、ヒアリング対象者の検討・決定)は、この定例会のタイミングで実施できるようにスケジュールを組んでいきます。

 

プロジェクトの進捗管理には、全体・詳細の両方を見るバランス力が大事です。全体を見るのに偏り過ぎて細部のタスクが見えていないと実行力に欠けてしまいます。一方で、詳細に偏り過ぎて一つの業務に集中し過ぎてしまうと、プロジェクトの全体像を見失い、より優先度が高い業務に気づけなくなってしまう恐れもあります。プロジェクトマネージャーと一緒に、事務局の担当者もこの視点を持って進捗管理できるとプロジェクトの進行がよりスムーズになるのではないでしょうか。

 

2023年8月