2016年1月18日

【RFPコンサルタントの日常】

~IT担当者は必要か?~

IT担当者不在でも業務は回る。

中小企業の中には情報システム部門がなく、専任のIT担当者もいない場合があるだろう。そういった場合、多くはバックオフィスのスタッフがITの窓口となっている。そして外部にIT運用を委託しているケースもあるだろう。

IT担当者不在でも業務は回る。しかしそれは現状の維持・更新に限定される。パソコンや既に導入しているシステムなどインフラの維持は可能である。必要に応じてベンダーに問い合わせればいい。

・・・されど動かず。

しかし、システムの導入やリプレースなどITの変更についてはどうだろうか?難しいといわざるを得ない。

▼一つ目は時間・・・システムの導入・リプレースは片手間でできるものではない。その労力は想像をはるかに超える。

▼二つ目はITの理解度・・・ITの理解度が低いが故、ベンダーとの折衝が後手に回る可能性がある。

▼三つ目は全体俯瞰・・・必要とされる機能に目が行きがちで、導入しようとするシステム以外を軽視しがちである。特に自身の業務中心に考えてしまう場合が多い。

依存する。

ともあれ、IT担当者不在のままシステム導入する場合、多くはベンダーに依存する形となる。ERPなど全体システムであれば、コンサルタントを入れる場合も多いであろう。しかし、個別のシステムであれば、コンサルタントを入れず直接ベンダーとやり取りすることが多い。個別であるが故に、導入は簡便である。簡便が故に個別システムはどんどん増えていくこととなる。

また、ベンダー依存の場合、システムの導入に目的意識が欠けてしまう可能性がある。何のためにシステムを導入するのか、オペレーションの改善レベルにとどまってしまう場合が多い。しかも部分部分で導入したシステムであるが故に、その部分でのオペレーション改善が達成しても、システムの数が多くなり複雑性が増す。

ただ居ればいいわけでなし。

では、専任のIT担当者がいれば解決できるのだろうか?もちろん答えは「No」である。言うまでもないが、大切なのはポジションではなく、そのポジションに足りる人材である。よって会社にとって必要なIT担当者を定義する必要がある。

一般論で言えば、ITのスキルに加えて業務理解(全体を俯瞰した上で)、課題認識が必要であろう。そして、そのような人材は一朝一夕では得難い。また成長させる必要もある。しかし、会社の課題解決にITを使う以上、高度なIT担当者が必要である。必要投資と考えるべきである。

課題解決の内、ITの部分を曖昧にしたくなければ、今こそ高度なIT担当者を専任で置く時代である。

2016年1月