2014年8月18日

【失敗しないシステム導入】

~提案書評価の基準はいつ作成すべき?~

ベンダからの提案書を評価する際には、評価基準を作成します。どのような視点で評価するかを洗い出した上で、その中のどの視点を重視するかを決めます。例えば、A:類似事例の実績、B:プロジェクトリーダーの経験という視点があり、Bの方を重視するのであれば、Aを10点満点、Bを20点満点とします。この評価基準をもとに提案書を評価します。

同じ提案であっても、どのような視点で評価するか、どの視点を重視するかによって評価結果は変わります。それだけに、評価基準を決めることが意思決定そのものと言えます。

ところで評価基準はどのタイミングで作成するのが良いのでしょうか。

苦労の末にRFPを完成させ、無事にベンダにRFPを発行し、ベンダが提案書を作成し始め、一息ついた頃に評価基準を作成し始めることが多いようですが、これでは手遅れです。

いざ、提案書が提出され、評価基準に沿って評価しようとすると、評価したい内容が提案書に記載されていない。RFPを確認してみると提案要件として記載されていない。あわてて追加提案をベンダに依頼する。これではRFPを発行した意味がありません。例えば、前述の類似事例の実績を評価基準にあげているにもかかわらず、類似事例の実績を提案書に記載するようRFPに書かれていない、といった具合です。

このようなことを防ぐためには、提案書の評価基準は、RFP作成と並行して作成しなければなりません。評価基準とRFPを正対させ、評価したい視点がRFPに漏れなく記載されているかを確認した上で、RFPを発行します。

RFPで提案書の目次を指定する(指定しないとベンダ側のフォーマットで提案されるので、各社で目次が異なってしまう)。その上で評価基準のそれぞれの視点について、RFPのどの部分と対応し、提案書の目次ではどこに該当するかを事前に対応づけておくことで、提案評価の工数を削減することができます。

RFPは、少人数、短期間で完成させなければならないことが多く、評価基準まで頭が回らず、後回しにしてしまいがちですが、後々の手戻りを防ぐためにも、RFP作成と並行して評価基準を作成するのがポイントになります。

2014年8月

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