2024年422

【コンサルタント散歩】

ユーザにテスト環境を提供するポイント~

システム開発プロジェクトで要件定義からシステムの開発を進めていき、ユーザに運用テストを実施していただく際に、テスト環境をベンダー側が用意してユーザに提供すると思います。今回はユーザにテストしていただく環境を提供する際に気を付けるポイントを記載します。

①運用テスト環境を本番環境と同程度(マスターデータ、パラメータ、設定)の環境を用意する

運用テスト環境と本番環境で環境に差異があると、ユーザがテストを実施して、要件・要望がシステムに反映されていることや業務が問題なく遂行できるのかを確認していただいても、本番稼働後に問題(ユーザテストでできていたことができなくなっている、想定とは違う挙動をするなど)が発生する可能性が出てきます。そうならないためにも本番環境と運用テスト環境は可能な限り近い環境を準備し、ユーザにテストを実施していただくようにしてください。

 

②ユーザがストレスなくテストを開始できるようにする

当たり前のことですが、ユーザにテストの実施をお願いする際にはストレスなくユーザテストを開始できるようにしてください。ベンダー側は提供する運用テスト環境で疎通確認(開発環境と提示する運用テスト環境の機能面などが同じであるか)やカスタマイズやアドオンしている場合はその部分のテストをピンポイントで行います。ユーザは現業務を行いながら+αで時間を捻出してユーザテストを行うため、始めようとしたらエラーが出てテストができないといったことが発生するとストレスが蓄積されてしまいます。環境が整っていなくてはテストが実施できず、最悪な状況になってしまいます。

 

ユーザにテストを実施していただく際には、上記のポイントに気を付けながら運用テスト環境の準備をしてください。せっかく開発したシステムをテスト環境の差異や整備がうまく整っていないことで、ユーザから悪いイメージを持たれてしまうのはベンダーにとって勿体ないことです。

 

2024年4月

【佐藤善哉のコラム】

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