2017年10月2日

【コンサルタント散歩】

~課題管理の運用が開発プロジェクト成否の「key piece」である~

開発プロジェクトを運営していく中で大切なことは何でしょうか。多く人がスケジュールの管理と最初に答えると思いますが、筆者はスケジュール管理以外にも重要なこととして課題管理があるのではないかと考えます。何故ならプロジェクトを運営していくうえで、課題がないプロジェクトは存在しないと考えているからです。

課題を抽出できない、または課題管理を行っていないプロジェクトは、どんなにスケジュール上の進捗は良くても信用できません。もしそんなプロジェクトに遭遇した場合は気を付けなければいけません。そのプロジェクトは後工程になるにつれて炎上していき、ユーザー側もベンダー側も地獄を見ることになるからです。とは言え、課題管理を行っているからといって安心できるとは限りません。

注意したいプロジェクトは、課題管理表を作成しているから大丈夫だと思っている場合です。一つ目の分岐点は、「課題管理を行っているか、行っていないか」になり、二つ目の分岐点は、「課題管理を運用しているか、していないか」です。よくありがちなのが課題管理表に記載することが目的となってしまうことです。本来の目的は、課題をプロジェクトまたはチーム単位で情報共有して課題解決を行うことですので、いつの間にか目的が変わってしまわないように十分に注意が必要です。

皆さんも課題管理表を作成後、課題の記載があるにも関わらず、何も運用されずに放置された状態を想像してみてください。結果として、放置された課題は後工程になって問題になります。そして、課題を解決するために上流工程からの仕様変更が必要となり、他サブシステムまで影響が出る内容だと膨大な修正をしなければならず、時間を要することになってしまいます。

そうならないためにも課題管理の運用をしっかりとするべきです。重要なのは、課題の期日と現在のその課題のボールを誰が持っているかを明確にすることです。また、課題内容によって優先度なども重要になってきます。筆者は以前、Excelで管理表を作成して毎朝15分程度の朝会を行っていました。そこで各課題の状況について情報共有と課題の抽出を行います。また、課題がずっと残っているのが嫌だったので、最小単位の1タスク1行として消込を行いやすいようにしていました。運用方法としては課題管理者が管理しやすいように改良していくのが一番よいと考えます。

皆さんも課題管理の運用をしっかりと行い、炎上プロジェクトにならないよう気を付けましょう!

2017年10月