2021年3月15日

【コンサルタント散歩】

~パッケージを用いた開発時のテスト観点~

システム開発は大きく分けてスクラッチ開発とパッケージ開発(システムのひな型を用いて開発)に分けることができます。今回はパッケージを用いたシステム開発のテスト観点で気を付けるポイントについて説明します。こちらは開発経験が浅い方向けの内容になっています。

パッケージ開発時のテスト観点で気を付けるポイントは、パッケージ製品として品質が保証されている部分までテストしないことです。これは、パッケージを開発した企業がパッケージを提供するためにテストを行い、品質を担保しているからです。パッケージを用いてシステム開発を行った者が確認する必要はありません。確認を行っている場合は、不要な工数になっています。では、どういった部分が不要なのか。

例えば、画面開発ができるパッケージ製品を用いて開発を行うとします。そのパッケージを用いて入力項目の作成を行った場合、どのようなテストをしなければならないでしょうか。あくまでも入力画面開発のテスト観点ですが、スクラッチ開発の場合は、項目名や桁数(最大・最小桁)、属性の確認やイレギュラー処理の確認などを行わなければいけませんが、パッケージ開発の場合は、入力項目作成時の定義が合っているかを確認し、入力できることを確認すればテスト観点としては問題ありません。定義した項目の桁数が本当に入力できるのか、気になるポイントではありますが、そこはパッケージ提供企業が品質を担保しているので確認する必要はありません。

システム開発では、パッケージのカスタマイズやアドオンなどが発生する場合がありますが、基本的な考え方は、パッケージ製品として品質が担保されている機能に対して細やかなテストをする必要はありません。蛇足になりますが、パッケージをカスタマイズする場合は既存機能を作り変えることになるのでスクラッチ開発と同等のテストをしなければなりません。カスタマイズに踏み切る場合は、パッケージのバージョンが上がった際にカスタマイズで実装した機能が問題なく動作するかなど、運用保守での確認・改修作業が発生するため、カスタマイズはできるだけ最小限に抑えることが重要になります。

2021年3月