2015年4月13日
【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】
~RFPは社長のトップダウンで目的を明確化しなさい~
RFPを書くのは面倒くさい、それは否定しません。でも、その手間をかけることで、大きなメリットを得ることができるのです。会社として「手間を掛けてでも、その手間を上回る利益を得よう」と決断するのは社長の仕事です。特に中小企業は社長の一言の影響力が大きいため、社長が先頭に立ってシステム導入に取り組む姿勢を見せることが社員の士気向上に大いに影響します。
システム調達時にRFPを書いて「きちんとソリューションやベンダーを評価しよう」と社長が号令を掛ける。多くの場合、システム担当者がRFPを作成する役目をになうことでしょう。システム担当者が専任でいない場合は総務か経理担当者が代行するかも知れません。
いずれが担当するにしろ、社長が留意しなければいけない点があります。それは社員がRFPを書く場合、その情報源となるのが、ベンダーからの情報が多いということです。
インターネットで調べる、セミナーや展示会に行って情報収集する、あるいは直接ベンダーの営業を呼んでカタログをもらったり説明を受けたりする。これらは基本的にベンダーが提供する情報です。この情報をベースにRFPを書くと例えばこんな要求が出てきてしまうことがあります。
◎タブレット端末を導入したい。
◎スマートフォンから在庫データを閲覧できるパッケージシステムを導入したい。
上記は一見、普通の要求に見えますが、これは実は要求というよりは、モノの指定なのです。本質的なシステム導入の目的は経営目標の達成や業務の向上のはずです。それは、
◎営業職の移動に要する時間を短縮し、客先滞在時間に振り替えたい。
◎客先滞在時にリアルタイムで在庫確認ができることで、顧客満足度を向上させたい。
といったことです。
≫移動時間を短縮するためにいちいち帰社しなくてもタブレットから営業報告や受注エントリーができるようにする。
≫お客様先で商談中に在庫を引き当て、納期を確約することでお客様に利便性を提供する、そのためにスマホで在庫引き当てできるシステムを導入する。
このような本質的な視点は社長が一番持っているのです。したがって、社長がRFP作成を指示する、あるいは出来上がったRFPをレビューする際には「システム導入の目的は何か」をトップとして明確に部下に伝える必要があります。
2015年4月