2023年3月13日
【生産性を上げる「習慣」の科学】
~「習慣」になるメカニズム~
前回のコラム(2023/1/11)では「習慣」を作ることは誰もが持っている能力であると説明しました。今回は「習慣」が作られていくメカニズムを紹介したいと思います。
実際に習慣化するために必要な日数というのは、実験によってある程度明らかになっています。もちろん個人差はありますが、平均は約2か月となっており、習慣化したい内容によって1か月から半年ほどの幅があります。
日常的な単純な行動、例えば玄関のカギを閉める、洗面所から出るときに電気を消す等は習慣化が早い反面、思考の変化に関すること、例えばポジティブ思考になる、論理的思考力を身に付ける等は習慣化する期間が長いという傾向があります。これはそのまま習慣化に対する難易度とも比例しています。
また、この期間の中で大きく三つの時期を経て習慣化されていきます。
最初に直面するのは、反発期です。
これまでにやってこなかった行動に対して脳が反発を行います。やろうと思っても気が乗らなかったり、体が動かないといった反発が出ます。そしてこの期間で大多数の人が挫折してしまうという結果も出ています。
次に直面するのは、不安定期です。
だんだんと新しい行動に慣れてくる時期ですが、気を抜くとやらない日が出てしまい、あっという間に習慣化が失敗してしまう時期でもあります。ここも離脱してしまう人が多い時期になります。
最後の直面するのが、倦怠期です。
新しい行動には慣れてきているものの、余裕が出てくるタイミングで、逆にその行動に対して疑問が出てきたり、もっとできるのではないかと思い始めます。ここまでくると離脱率は下がってきますが、まだまだ気は抜けない時期です。
これらの時期を乗り越えると晴れて習慣化されていくということになります。
ここで重要なのは、この習慣化の流れは誰しもが通っているということです。多かれ少なかれ皆同じような感情を抱きながら習慣化の順をたどります。
習慣化がうまくできる人の特徴としては、習慣化に成功した経験から各期間の壁に慣れていること、そして離脱しないような工夫をしているということが挙げられます。逆に言うと、これまで習慣化がうまくいかなかった人は、しっかりとメカニズムを理解し対処方法を実践することで、これからは習慣化できるようになるということです。
次回のコラムは、それぞれの時期で離脱しないためのコツを読者の皆様に共有していきたいと思います。
2023年3月
【菊池貴史のコラム】