2021年11月1日

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

M1 MACでWindows

前回(2021/9/21)MI MACのParallels Desktop上でWindows11のARM版を日本語環境で動作させることができるようになったとお伝えましたが、現在のところ特段の不具合もなく利用できています。ただし、現時点でもARM版のWindowsはARM CPUを搭載したデバイスにプリインストールされて出荷されるものに限定されていて、ARM版のPCにプリインストールされるもの以外に正式にインストール方法が提供されていません。開発者向けのInsider Programに登録したメンバー向けのInsider Previewという体験版でしか入手方法が提供されていません。

また、2021年9月時点では、MI MAC上でのWindows11の利用はサポート対象のシナリオではないとMicrosoftの広報担当が語ったという報道もあり、Intel Mac上で正規ライセンスのWindows10の仮想マシンを利用していたのと同等の利用ができるのかは不明瞭のままです。とはいえ、この報道があった時点ではM1 MAC上の仮想マシンを利用するためのソフトウェアとし利用されているParallels DesktopもVMWare FusionもWindows11がインストール対象に要求するTMP2.0をサポートできていない状況です。Microsoftにしてみれば動かしたいと言われても動作環境が存在しないじゃないかというのが本音で、今後もサポートしないと明言しているわけではないので、環境が整うのを待つということなのかもしれません。

その後、ParallelsがTPM2.0をサポートした仮想マシンを構築可能なバージョンをリリースしたため最低限の動作環境が提供されるようになり、そのおかげで私もWindows10の仮想マシンをWindows11にアップデートできました。VMWareのTPM2.0サポートはまだ開発版の段階で正式リリースは来年の春頃ということなので、正規版がリリースされて稼働環境が揃うまではこのまま宙ぶらりんの状況が続くと思われます。

実際のところ、M1 MACがリリースされた頃にはMicrosoftとParallelsはM1 MAC上での仮想マシンサポートについて緊密に協力しているというような報道もあったし、Parallelsが公開しているサポート情報でもARM版Windows10、Windows11の入手方法やインストール手順などについてWindows10までのものと同様の扱いで、ライセンス上の不安については全く触れていません。何らかの確証なしに将来的なライセンス違反が発生するリスクが残っている状態でWindows11の利用を推奨して製品を販売していくことは、訴訟社会アメリカでは恐ろしくてできることではないでしょう。

このようにM1 MACでWindows利用について、来年の春頃まではライセンスやサポート状況が曖昧で宙ぶらりんの状態が続きそうです。

2021年11月