2021年1122

【事務局コンサルタントのひとりごと】

コミュニケーション環境を整える


システム構築のどのフェーズであっても、プロジェクト進行に重要なのが、関係者間でのコミュニケーションです。

対面での打ち合わせが当たり前だった数年前とは状況がガラッと変わり、オンラインでの打ち合わせが主流となっています。オンラインを前提としたコミュニケーションは、事務局としてプロジェクトに参画するならば避けて通れないでしょう。今回は関係者間のコミュニケーションを行うための環境を整えるポイントをご紹介していきます。

オンラインでのコミュニケーションをとる手段を考えてみると、メール、チャット、Web会議ツール、プロジェクト管理ツール…と少し考えただけでもたくさんのツールがあります。事務局としては、様々なツールのざっくりとした特徴や、できれば少し試してみて使い心地を把握しておくとツールを選ぶ際の参考になります。それぞれのツールの概要は以下の通りです。

▶メール

主に連絡頻度が少ない人とのやりとりで使用します。プロジェクト関係者全員のメーリングリストを作り、全体連絡などに活用することもあります。

▶チャット(MS Teams、Zoom、Google Meetなど)

オンラインでの打ち合わせには欠かせません。対面+オンラインのハイブリッド型の会議という場合も多いです。対面では紙資料の配布や会議室予約などを事務局が担っていましたが、オンラインになると会議URLのご案内や、打合せ当日の参加者の承認・録画など事務局の仕事も少し変わってきます。

▶プロジェクト管理ツール(Backlog、Redmineなど)

タスクごとにチケットを切って、済んだらクローズしていきます。紙やExcelで共有していた課題管理表がWeb上にあるイメージです。誰が担当者であるかのソート機能や、ガントチャートのように並べてくれる機能など、視覚的に把握しやすいように見ることができるのは、紙にはない便利な機能です。

これらのツールをプロジェクトごとに最適に組み合わせ、使い方を関係者間で一緒に考えて合意できるとプロジェクトのコミュニケーションがスムーズに進みます。ツールとしての使いやすさはもちろん重要ですが、そもそもユーザーやベンダの社内規定やセキュリティポリシーに反して使用が認められないこともあるので、まずは関係会社の利用環境を確認してから検討していくのが良いでしょう。

例えば、複数関係会社がいるプロジェクトで、チャットやファイル共有を行う環境としてMicrosoft社のTeamsを使うとします。会社によってはTeamsのゲストアカウントで他社のメンバーを招待するはNGの場合があります。この場合は、ゲストアカウント招待が認められている他社のアカウントでチームを作るか、別のツールを検討するなどの代替案が考えられます。その時の環境に応じて柔軟に対応していくことが求められます。

このように、オンラインを前提としたコミュニケーションは対面とは違った視点で環境を整える必要があります。一度決めておけばプロジェクトの円滑な進行の一助となるので、是非丁寧に検討してみてください。

2021年11月