2014年9月16日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~100万円あったらどうする? IT投資vs交際費~

業績の低迷に悩んでいるある中小企業の社長がいました。このままではジリ貧なので、なんとか100万円を工面してテコ入れを図ることにしました。社長は2つの選択肢を考えました。

① 100万円を交際費として、営業の大攻勢をかける。

② 営業マン数名にタブレット端末を持たせ、外出先から在庫確認や引き当てをできるようにする。

言い換えると交際費として使うか、IT投資をして業務ルールを変えるか、という選択です。あなたが社長ならどちらを選びますか?

短期的に売上を確保したいのであれば交際費のほうが効果はあるでしょう。なじみの顧客の経営者を招いてゴルフをやり、その後はカラオケ接待で「今ちょっと苦しいのでひとつよろしく」とでも泣けば多少の注文は取れるでしょう。しかし、それは継続するものではなく一時的なカンフル剤に過ぎません。また、売上は上がったとしても交際費を多く使ってしまえば利益という観点ではどうでしょうか?

一方のIT投資のほうはどうでしょうか?タブレット端末を営業マンに持たせて、いわゆる「モバイル営業」を取り入れたからといってすぐに売上が増大するわけではありません。

むしろタブレットのようなモノは直接的に売上増大に寄与するわけではありません。モバイル営業の意義はタブレットを使うことではなく、外出先からでも社内にいるのと同じ仕事ができること、つまり移動時間を減らし、そこで生まれた時間を客先滞在時間や訪問回数を増やすこと回すことが重要なのです。そして客先でリアルタイムに在庫を確認できたり、受注処理ができることで顧客に対してもメリットを与えることが大事です。

1か月や2か月ではすぐに目に見える売上や利益の増大は難しいでしょう。しかし、継続することで3か月後、半年後、1年後には営業上の効果が期待されます。ただし繰り返しになりますが、即効性は期待できません。

本当に厳しい時期では短期的かつ一時的であってもその売上が必要な時があります。もちろん中長期的な観点で業績を向上させる施策はとても重要です。

会社の状況をみて、いまどちらを選択すべきかの判断は社長にしかできません!それが社長の仕事です。

2014年9月

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※ 関連コラム 【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】 「中小企業の社長がRFP作成の責任者になべき5つの理由」 (2014年8月4日)