2017年1月10日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~社長が見るべき経営情報は、社長自身が決めるべき~

社長が会社を経営していく上で、経営情報の活用はとても重要です。では、経営情報とは具体的には何でしょうか?貸借対照表や損益計算書のような経理関連の情報はもちろん社長がみるべき情報です。売上高や営業利益、経常利益といった金額やそれぞれを構成する粗利やコストなど、そして営業利益率や経常利益率といった「割合」の把握も必須です。しかし、前述の情報は社長でなくても、営業や経理・財務のマネージャークラスであれば、誰もがチェックする情報です。いわば、会社の基本的な情報であり、特別なものではないのです。

上記の基本的な情報は当然として、それ以外に社長が常に気を配るべき情報は社長自身が決めた経営方針に合致したデータや数字であるべきです。例えば以下のようなものです。

◎とにかくシェアを上げたいので、販売数量を増大させたい。その場合は、販売数量と売上金額が最優先チェック事項となる。

◎売上ではなく、営業利益を増やしたい。その場合は、販売価格(値引きの有無)とコスト(販管費など)が見るべき情報となる。

もちろん実際の会社経営は複雑であり、社長が見るべき情報は多岐に渡るので、上記の例は両方見るという場合が多いでしょう。だが、多くの情報を見るというのは往々にして「眺める」だけになってしまうことがあります。いわゆる「情報過多」というやつです。ITシステムを利用すれば様々な情報を簡単に出すことができます。BIツールのような経営情報をデータベースから切り出す便利なソフトウェアもたくさんあります。情報の収集や取得はその気になれば簡単なのです。

難しいのは「どの情報をどのように分析し、判断するか」です。それを短時間で効率的・効果的に行うためには、社長自身が「自分(自社)は何を最も重要な経営指標にしているのか」を明確にしていることが大事です。売上高なのか、シェアなのか、利益率なのか?あるいは製品1つあたりの原価率なのか、営業マン一人当たりの営業利益率なのか?

いくつか会社の経営方針と合致する重要な経営指標を決めて、まずはその指標に関する情報を最優先に見て状況を理解する。その上で関連する他の情報に目を広げて会社の状況を把握する、といったことが社長には求められるのです。

「自分(自社)は何を最も重要な経営指標にしているのか」を決めるのは社長の仕事です。

2017年1月