202227

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

プラグアンドプレイの効用

1月の末に自宅でActive Directoryの検証用にWindows Server 2016をインストールしたPC2台が相次いで止まってしまいました。検証用の環境なので、壊れたといって自前の検証環境が止まるだけでそれ以上の実害はない話なのですが、プラグアンドプレイの威力を久しぶりに実感しました。

部屋の中にカコンカコンという異音が鳴り出したので、音の発生源を探すとどうやらRAID1ミラーの片方に異常が出たようで、Windows Server自体は動作していましたが、片方がダメになるとゼロからインストールし直すことになるので、安全を見てシャットダウンしました。折を見てディスクの交換を考えていたところ、もう1台の方も何の前触れもなくいきなり止まってしまいました。この止まった方を調べてみると、電源ユニットがダメになったようで、電源部のユニットごと交換しないと復旧できないことに加え、メーカーのサポートに問い合わせてもとっくにサポートが終了した製品のため、補修用のパーツも提供できないとの回答でした。

故障したどちらも正確な時期ははっきりしませんが、10年前とはいかないものの2010年代の前半に出荷されたものであるのは間違いないので、メーカーが補修部品を持っていなくても仕方ないものでした。動作速度や安定性など度外視でWindows Serverがインストールできれば良いと適当に調達した中古品なので、いつ故障してもおかしくないもので、故障したこと自体はそんなこともあるよねと痛くはありませんが、2台が立て続けに故障したのは予想外でした。

ハードディスクについては、サイズと規格が適合すればパーツ市場で簡単に調達可能なものなので、そのうち時間がある時にでもと考えていたのですが、電源ユニットについては、本体をばらしてユニット自体を取り出して、サイズや規格、電力仕様などを確認して互換品を探す手間が必要になるので交換修理はやめることにしました。そこで、別の退蔵していたデスクトップ機があったので、これにディスクとメモリを移して電源を入れてみることにしました。この移行先はメモリが4GBしか載っていないものでしたが、幸か不幸か故障したものと同じ規格(DDR31333)だったので、壊れた方に載せていた16GBのメモリとハードディスクを載せ替え、ダメ元で電源を入れてみたところ、メモリ16GBとハードディスクを問題なく認識してWindows Serverが起動しました。

CPUが故障したものより1世代後のもので、マザーボードのチップセットも異なるので、起動に失敗したらインストールし直せばよいという心構えでしたが、普段の起動と異なり、ハードウェアを認識して構成していますというメッセージがしばらく続いた後、何事もなかったようにWindowsのログオン画面までたどり着き、そのまま故障前のWindows Server 2016として起動できました。さすがにオンボードのネットワークカードは前のものとは異なるチップで異なるネットワークアダプタとして認識されたため、前に割り当てていた固定IPアドレスまでには復元できず設定が必要でしたが、それ以外に調整が必要なエラーは発生せず、何事もなかったように元のドメインコントローラーとし稼働させることができました。

とはいえ、これは汎用的な構成のWindows Server 2016のリリース以前のモデルだったため、Windowsのプラグアンドプレイの機能で内蔵デバイスがすべて標準で認識されたおかげで簡単に復旧できたのだと思います。Windowsのリリース時期以降のモデルの場合やそれなりのサーバ機だと、Windowsに内蔵されているデバイスドライバで全て賄えずに、専用のデバイスドライバをメーカーのサポートサイトから入手して適用しなければ、デバイスマネージャーで不明なデバイスのオンパレードになっていてもおかしくないでしょう。

クライアント先でこんなマシンが動いていたらサッサとリプレースしましょうと提案しますが、、まっとうな業務用途ではこういった使い方も対処方法もおすすめはできません。あくまでこんな対処方法もあるという事例です。

2022年2月