2015年2月23日
【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】
~システム企画の手順と方法(文書作成②)~
前回(2014/12/22)に続いて、システム企画書を作成する時に留意すべき点について書いてみます。
2.開発に外部事業者が関わる場合に作成されることがある提案依頼書(RFP)のインプットとなる
ポイントとなるのは以下の3点です。
◎ 提案依頼書(RFP)として、伝えるべき事項と内容が必要十分に記されている。
◎ 提案依頼を受けた者が提案書を書きやすく、提出しやすい。
◎ 提案依頼を行った者が、受領した提案書の評価を行いやすい。
それぞれについてみていきましょう。
● 提案依頼書(RFP)として、伝えるべき事項と内容が必要十分に記されている。
システム企画書からRFPへと整合性をもって円滑につなげるためには、システム企画書を作成するときに、RFPの構成と記述すべき内容(情報)をあらかじめ想定し、理解しておくことが役に立ちます。
RFPの構成と内容に絶対的な規則や標準が定められているわけではありませんが、基本的なものは以下の如くと考えられます。当社ではRFPで伝えることの中心を「何を、いくらで、いつまでに」というキーワードで表現していますので、それを入れて記してみます。
① 開始部分(表紙+目次+前文)
② 提案依頼の主旨
③ 要求事項(業務要求、技術要求、運用要求) =何を
④ 予算 =いくらで
⑤ スケジュール =いつまでに
⑥ 特記事項(事務連絡、契約条件)
① 開始部分(表紙+目次+前文)
ここは、システム企画書の内容を多く、具体的に記すところではありませんが、対外文書の開始部分としてそれに相応しい体裁を持ち、よく練られた簡潔な文章で記されていることが求められます。
② 提案の主旨
ここは、まさに「なぜ今回のシステム企画を行うのか」を踏まえて記すところです。内容としては、
・目的(システム導入によって何を実現したいのか)、
・背景(どのような状況にあってシステムが必要となったのか)、
・狙い(システム導入による期待効果) となります。
③ 要求事項(業務要求、技術要求、運用要求) =何を
要求事項は「何を」にあたる部分です。業務において必要なこと、技術環境として必要なこと、運用条件として必要なことに分けて取り扱うと、まとめやすくなります。業務については業務部門の視点、技術については情報システム部門の視点、運用については両者の視点で要求事項を抽出、選択して記述します。それぞれの要求事項、特に業務要求はシステム企画書の内容を受けた前項「主旨」に合致していることが絶対条件となります。
④ 予算 =いくらで
予算は「いくらで」にあたる部分です。システム企画で検討・試算した「概算予算」を基にとった予算を記述するところですが、場合によっては記述しない(「予算は定めていない」等と記す)ことも考えられます。
⑤ スケジュール =いつまでに
スケジュールは「いつまでに」にあたります。システム企画の中で検討した「実現ステップとスケジュール」を基に、ベンダー選定期間と開発期間の想定を記します。
⑥ 特記事項(事務連絡、契約条件)
ここでは、提案書作成要領、提案書提出要領、契約条件の希望を記します。社内標準や前例がある場合にはそれらに照らし、今回の調達に適した内容とします。
さらに、冒頭に挙げた3つのポイントのうち、
◎ 提案依頼を受けた者が提案書を書きやすく、提出しやすい。
◎ 提案依頼を行った者が、受領した提案書の評価を行いやすい。
を実現するための留意点については、次回考察していきます。
>>次回に続きます。
2015年2月
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※ 関連コラム 【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】「システム企画の手順と方法(文書作成)」 (2014年12月22日)