2017年9月25日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~社長は「逆張り」視点を持とう~

昨年、そして今年はITによる世界の変革の大きな起点の時期ではないかと感じます。AI、IoT、フィンテック、仮想通貨、ブロックチェーンなどといった言葉をインターネット上のニュースだけでなく、テレビや新聞などの既存媒体でも毎日のように目にするのではないでしょうか?

例えばAIですが、将棋や囲碁のトップ棋士がAIに勝てなくなってきたことはご存知でしょう。またAIの普及によって人間の仕事が奪われるのではないかという論調の記事も増えています。みなさんはそれらのニュースや記事を読んでどう感じますか?特に明確な根拠もなく「自分の仕事や会社はまだ大丈夫だろう」と思っていませんか?

仮想通過に関してはどうでしょう。仮想通貨で有名なのはビットコインです。ビットコインは数年前に発生したマウントゴックス事件(ビットコインの大手取引所であるマットゴックスから大量のビットコインが消失した事件)の印象が強く、その事件のニュースだけを見て詐欺的で危険なもの、と認識していませんか?確かにビットコインは投機の対象となり、その価値が大きく乱高下しているので、リスクがあることは間違いないでしょう。しかし、一方で仮想通貨のベースとなるブロックチェーンというテクノロジーは画期的であり、広い分野で適用され仕事や社会を大きく変える可能性があるとも言われています。

「ゆでガエル」の警句というのがあります。有名な警句ですが、簡単に紹介すると、カエルは水に浸かった状態で少しずつ水温を上げても、その水温変化に気が付かず、やがて茹であがって死んでしまう。人間も同じようにぬるま湯のようか環境で仕事をしていると社会や市場の変化に気付かずに敗者となってしまう、という話です。漠然と「AIが普及しても自分が大丈夫だろう」、「仮想通貨はよくわからなくて危ないから自分には関係ない」としか考えない人は「ゆでガエル」になる可能性が高いと思います。ましてやそれが中小企業の社長であれば、社長個人だけでなく、会社を「ゆでガエル」にしてしまいます。

社長は自分の周りの人が「AIはまだ自分達には関係ないだろう」と言っていたら、「じっとしていたら数年後には生き残れないかもしれない」、「仮想通貨なんて詐欺」と言っていたら「危ない、詐欺だ、と言われているのになぜ普及しつつあるのだろう」と考えるべきです。社長の仕事で一番大事なのは「決める」ことです。したがって社長は2つの逆の視点から物事を考えることが大事です。世の中がほとんど「順張り」な時こそ「逆張り」の発想で事象を眺めてみるべきです。

2017年9月