2015年7月27日

【RFPコンサルタントの日常】

~子育てとフレームワーク ②プロジェクトマネジメント(計画と実行)~

前コラムの振り返り

前回(2015/6/16)、子育てプロジェクトの立ち上げについて記載した。

夢を語ることで各関係者にプロジェクトの参加を呼びかけつつ、経験者の知見を得る。

幼稚園入園までといった期間を区切り、その期間の費用感、リスク等を共有する。

今回はこの立ち上げフェーズの事項を計画まで落とし込む。

計 画

計画といっても、計画書を作り上げたわけではない。あるのは一冊のスケジュール帳である。「娘ノート」と名付けられた一冊で管理する。このスケジュール帳にはプロジェクトの目的とスケジュール、経験させたい項目リストが記載されている。

まず、最初の見開きページにプロジェクトの目的が記載されている。前回のコラム(2015/6/16)に記載された通り「子供が、個人、対人、団体活動において、それぞれ楽しみを見つけてもらうこと」である。(実際は言葉ではなく図である)

そしてスケジュール帳なので、カレンダーが1年分ある。(加えて3年分の年間カレンダーを印刷してある)

今回のプロジェクトの終了時期は明確で、幼稚園入園までである。遅延は基本的にない。よって、それまでに何を経験するのかがポイントとなる。何を経験させたいか、それらを洗い出しリスト化する。それが経験リストである。得てもらいたい技能、経験してもらいたいレクリエーションを洗い出すのである。なお、レクリエーションとは、動物園やリトミック教室などの施設の体験だけでなく、自然と触れ合うなどの体験も含まれる。

これらの経験リストの項目をカレンダーに当て込んでいく。まず、お食い初めや予防接種などの行事のスケジュールを入れ、次に保育園のスケジュールを仮決めする。保育園など準備が必要なものは、選定などの期間を仮決めする。その後、行事や保育園以外の項目を書き込んでいく。これらは明確に日付を決めるのではなく、月ごとのタスクとして割り当てた。9月は児童館デビューというように。

実 行

こうして完成した「娘ノート」を基に子育てを開始した。(実際には出産のバタバタで初期は荒い計画書であったが)

0歳児に経験させる項目があまりなかったこともあり、計画通りに進んでいったが、初めての子供ということもあって、子育ての不安から夫婦間のコミュニケーションがギクシャクすることがあった。そのような時は「娘ノート」が助けになった。寝ている子供の横で「娘ノート」を見ながらあれこれ話し合うことで、子育ての不安をある程度払拭することができた。この「娘ノート」は計画書であり、コミュニケーションツールであった。

娘が1歳になった頃、人見知りの性質があることがわかった。想定リスクであるが、解決は難しい。システムで例えるならば、そういう仕様なのだ。人見知りの性質を治すのではなく、人見知りなりの目的達成があればいい。目的は「子供が、個人、対人、団体活動において、それぞれ楽しみを見つけてもらうこと」である。個人においてはすでに「事象の発見」という楽しみを見出していた。マラカスを振れば音が鳴るといった楽しみを。対人・団体活動については、人に慣れたころに楽しみを見つけてもらえばよい。「娘ノート」のスケジュール変更はしなかったが、人に慣れさせる時間をとるように手法を変えるようにした。

初めての子育てはとても漠然としたものだ。世間にノウハウは溢れているが、実経験がないため、どれを選択していいのか、どう行動すべきか手探りで動かざるを得ない。とても不安である。その不安を軽減するため、今回子育てをプロジェクト化した。目的があれば、目的に立ち返り物事を進めていくことができる。期限設定があれば、遠い未来、つまり不確定要素が多いことに対して悩む必要がない。娘の成長や能力・嗜好に合わせて次のプロジェクトを立ち上げることができるのだ。

とはいっても、まだ本プロジェクトは完了していない。娘は2歳半。そろそろ新しいプロジェクトを立ち上げる必要がある。次の「娘ノート」の途中、4月が新プロジェクトのキックオフである。新プロジェクトのメンバーに娘自身も参加することを願っている。

2015年7月

-------------------------------------------------------------------------------

※ 関連コラム 【RFPコンサルタントの日常】~子育てとフレームワーク ①プロジェクトマネジメント(立ち上げ)~(2015年6月16日)