2020年4月27日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~テレワークで営業スタイルも「足とネットの二刀流」新時代~


新型コロナウィルス感染拡大に伴い、日本でもテレワークが急速に進みつつあります。特に経営体力のある大企業ではほぼ全社的にテレワークを行う会社も出てきました。中小企業ではテレワークはまだまだといった感じですが、それでも経営者だけでなく社員もテレワークの必要性を以前より強く認識していることは間違いないでしょう。

このテレワークですが、ウィルス感染拡大が収まって、平常になればこれまで通りの働き方に戻り廃れてしまうものでしょうか?筆者はそうは思いません。コロナ後も確実にテレワークの領域は拡大していくと予想します。テレワークをスムーズに行うために必要なことは以下の3点です。

①ネットワークや機器などのテレワークを行うためのITインフラが高速かつ堅牢であること

②テレワークを行う人のリテラシーが向上すること

③会社がテレワークとリアルワーク(出勤や営業回りなどこれまでの仕事の仕方)の混在に対応した勤怠ルールや人事評価制度を構築すること

テレワークというとどうしても①のネットワークなどのテクノロジーの話になりがちですが、現在の環境でもかなり実用性はあります。さらに今後、5Gが普及しそれに対応した機材やソフトウェアの製品化によってより快適なものになります。これは数年内に確実に実現するでしょう。むしろ課題は②と③です。課題というよりは個人や企業間に格差を生む要因、という言い方が正確かもしれません。

先日、筆者はある大手外資系IT会社からテレワークによる営業訪問をメールで打診されました。どのようなアプローチをしてくるのか興味があったので承諾し、WEB会議ソフトを使った「初回営業訪問」を受けました。この営業マンとはもちろん初対面です。イントリーグの仕事だけでなく、個人の打合せでも筆者は頻繁にZoomやSkype、Teams、さらにFacebookのビデオチャットやFaceTimeなど様々なツールを使っていたので、テレワークには自信がありました。ところがこの営業マンの「WEB初回営業訪問」を受けて驚いたのです。何に驚いたのかというと、初対面のアイスブレークから本題に入るまでの流れや、画面共有による商品紹介資料の展開が非常にスムーズで優れていたのです。営業マン個人の資質もあるのでしょうが、それ以上に外資系IT会社は企業として「準備と訓練」をしていることがわかったからです。

筆者は30数年前に日本IBMに新卒で入りました。入社2年目の時に初めてお客様先で短いプレゼンテーションを行う機会がありました。プレゼン後にお客様から聞いた言葉が今でも忘れられません。それは「IBMが国内ベンダーと違うのは値段の高さとプレゼンの上手さ。IBMの人はみんなプレゼンが上手だ。訓練されているのがよくわかる」

そう、重要なのは②なのです。テレワークに適した仕事の仕方、営業の仕方を考え、準備と訓練を行う会社はテレワークのメリットを享受し、大きな果実を手に入れることができるでしょう。逆にいつまでも過去の固定観念に囚われて「事務はテレワークできても、営業は無理。営業は足だ!」の会社は衰退するでしょう。筆者は「足」は否定しません。それは今後も重要な営業手段となるでしょう。しかし「営業は足」の時代は終わり、「営業は足とネットの二刀流」の新時代になるのです。③に関してはまた別の機会に述べます。

2020年4月