2016年7月11日

【システム企画のマインドマップ活用術】

~マインドマップ開発のきっかけ~

今回は、マインドマップ開発のきっかけとなった「ノートの取り方」についてお伝えします。

マインドマップ開発者のトニー・ブザンが大学生だった頃、勉強の成果が上がらず、ノートを取ればとるほど、勉強すればするほど、かえってうまくいかない状況にありました。そこに開発のきっかけがあります。トニー・ブザンは、打開策を求めて、脳や思考力の使い方の本を探しに図書館へ行きます。しかし、残念ながらその種類の本が見つかりませんでした。トニー・ブザンは、自身の著書「新版 ザ・マインドマップ」で、脳や思考力の使い方の本が見つからないということは、まだ誰も踏み入れていない未知の領域がある、そう気づけたことが大きな幸運だったと記しています。

ここで、皆さま自身が学生時代や社会人になってノートを取っている状況を思い出してみてください。どんなノート・ペンを使っていましたか?また、何のためにノートを取っていましたか?トニー・ブザンが大人から子供まで様々な国のノートを取るのか調査をしたところ、95%が3つのスタイルに分かれることがわかりました。また、その要素は、言葉・数字・論理的・単色がほとんどで、視覚的に訴えかける強弱のリズム性や色、イメージに欠けています。

この単調なノートでは、下記の欠点があります。

● 重要なキーワードが目立たない

このため、脳がキーワードと重要なコンセプトを結び付けにくくなっています。

● 覚えにくい

単色の単調なノートであると、脳にも拒絶され、忘れられてしまいます。また、箇条書きのように書くと脳は退屈と感じ、半睡眠状態に陥ることにもなるようです。

● 脳を刺激しない

単調なノートを取っていると、脳が連想を働かせにくくなり、創造と記憶の妨げになってしまいます。

また、心理学、脳の神経生理学、記憶の仕組みとテクニック、創造的思考法など、あらゆる分野の天才が残したノートを研究すると、脳の機能全体を使うことでより効率的に効果を発揮できるマインドマップの原則を自然と使っていたことも研究により判明しています。

トニー・ブザンのふとした問題意識をきっかけに、ノートの取り方を研究するなかで様々な調査や実験をおこない、今のマインドマップに進化してきたのです。背景を知ると、マインドマップを利用する意識も変わるように思います。

2016年7月