2021年1020

【RPAコンサルタントの日常】

Azure Virtual Desktopを使ったソフトウェアのバージョン管理


Microsoftが提供しているAzure Virtual Desktop(以下AVD)というクラウド仮想デスクトップのソリューションがある。以前はWindows Virtual Desktop(WVD)と呼ばれていたものである。このソリューションの特徴として、一つのホストに複数のユーザーが同時接続できるということがある。これまでの仮想デスクトップ製品は、一つのホストに同時に接続できるのは1ユーザーだったのでホストを複数立てなければならず、費用がかかったり管理が煩雑になったりしていた。

今回はこのAVDを使ってソフトウェアのバージョン管理をしていこうと思う。目的としては、バージョン管理にかかる労力や煩わしさを解消することにある。また、維持にかかるコストを最小限にすることも重要な点である。これまでソフトウェアのバージョン管理をする際は、複数のパソコンにそれぞれ異なるバージョンのソフトウェアをインストールしておく必要があった。管理したいソフトウェアはパワーがいるので、ワークステーションが必要となったし、執務室にスペースも必要であった。

やり方だが、まずAVD上にマスターイメージをバージョン分作成する。そこにそれぞれソフトウェアをバージョン別にインストールする。出来上がったマスターイメージから、セッションホスト(ホストPC)に設定を流し込む。やってみるとわかるが、マスターイメージは低スペックで作成しているので、インストール速度が遅く結構大変であった。マスターイメージと出来上がったセッションホストは普段はシャットダウンしておき、課金されないようにしておく。必要に応じて起動し、ユーザーに使ってもらう形になる。

やってみてわかったことだが、マスターイメージとセッションホストが複数できるため、Azure上の管理が少々複雑となった。名称等でバージョンがわかるようにしておく必要がある。しかし、AVD化によりワークステーションを用意しておく必要はなくなり、執務室のスペースも必要なくなった。何より、共用のワークステーション席に行かなくても、自席でソフトウェアを扱えるようになったのが大きい。ユーザーの利便性も確保できた。

目的であるバージョン管理にかかる労力は、Azure上の管理が複雑になるので半分達成といったところだが、維持にかかるコストは削減できた。今後もAVDを活用して業務を改善していきたい。

2021年10月