2015年8月3日

【失敗しないシステム導入】

~ベンダメンバと仕事をする際の注意点とは?~

プロジェクトにおけるベンダ側メンバのレベルは様々です。全メンバのレベルが高いのが理想ですが、なかなかそうはいきません。プロジェクトリーダは提案時のプレゼンテーションにおいて、評価・選定することが可能ですが、プロジェクトメンバは事前に評価・選定できないのが実情です。

※プレゼンテーションでのプロジェクトリーダの評価は、「【失敗しないシステム導入】~プレゼンテーションで何を評価すべき?~」(2015/3/23)をご参照ください。

このような状況において、プロジェクトを成功させるためには、メンバのレベルに合わせて、仕事の進め方を変えていく必要があります。

以下の3段階のレベルを考えます。

レベル1 : レベル1は与えられたタスクをきちんとやってくれない人です。意外と思われるかも知れませんが、こういった人もある一定数は存在します。

レベル2 : レベル2は与えられたタスクをきちんとやってくれる人です。

レベル3 : レベル3は与えられたタスクをきちんとやってくれ、さらに改善の提案をしてくれたり、潜在するリスクを指摘してくれたり、プラスアルファのことをやってくれる人です。例えば、仕様変更の依頼をした時により良い仕様を提案してくれる。他の仕様との不整合を指摘してくれるといった具合です。

レベル1のメンバに対しては、大小問わず全てのタスクの進捗を把握しなければなりません。依頼したタスクについて、こちらでTO DOリストを作って、進捗を管理しなければならないので非常に手間が掛かります。

レベル2のメンバに対しては、全てのタスクの進捗を管理する必要はありません。マイルストーンのような重要なタスクの進捗管理だけで済みます。ただし、基本的には与えられたタスクしかやってくれませんので、より良い方法がないか、リスクが潜んでいないかをユーザ側で注意しておく必要があります。

レベル3のメンバに対しては、基本的にはお任せで問題ありません。

全てのメンバに対して、レベル1のやり方で仕事を進めることは、ユーザ側の工数が掛かり過ぎてしまい、現実的ではありません。本来ユーザ側で実施すべき作業が疎かになってしまいます。逆にレベル3のやり方で全てをお任せにすると、遅延、作業漏れが発生し、プロジェクト失敗のリスクが高まります。ユーザ側のリソース(工数)は限られています。プロジェクトの早い時点でプロジェクトメンバのレベルを見極め、効率的にプロジェクトを進めなければなりません。

さて当然ですが、プロジェクトリーダは必ず、レベル3の人材でなければなりません。そのためにプロジェクトリーダの評価・選定は非常に重要です。レベル3のプロジェクトリーダはレベル1のメンバをカバーしてくれます。ただし、あまりにレベル1のメンバが多いとプロジェクトリーダでもカバーしきれなくなります。そのような場合には、遠慮せずにプロジェクトリーダより上位のプロジェクトマネージャ、もしくは営業側の役員・部長にプロジェクトメンバの入れ替えを依頼しましょう。

2015年8月

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※ 関連コラム 【失敗しないシステム導入】~ベンダ側のメンバのレベルが低くて困ったときに何をすべきか?~ (2016/1/25)