2019年11月18日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~社長、ブロックチェーンってわかりますか?その2~

先日、ある経営者と話をした時のことです。「我が社はAIやIoTを活用した新しいビジネスを検討中である。クラウドシステムでそれらのサービスを提供されていると社員から聞いた」とのこと。そこで筆者は「ブロックチェーンの利用も検討されていますか?」その質問に対して「それは聞いていない。ちょっと担当者を呼んでみます」。システム担当者に話を聞くと「当社はIoTでビッグデータを集めて、それをAIで分析することを検討している。ブロックチェーンはその考えに合わないので検討していない」との回答が返ってきました。おやおや、という感じです。ブロックチェーンがわかっていないといよりは、様々な技術を組み合わせていく、という発想がまだ弱いなという印象を受けました。

ここである記事の一部を紹介しましょう。中国の習近平国家主席の発言とのことです。

1.ブロックチェーン技術を他の技術と結合させ応用することは、新しい技術革新と産業変革の中で重要な役割を果たす。

2.ブロックチェーン技術応用は既にデジタル金融、IoT(モノのインターネット)、スマート製造、サプライチェーン管理、デジタル資産取引など、多くの領域に及んでいる。

~省略~

6.ブロックチェーン産業エコロジーを構築し、ブロックチェーンとAI、ビッグデータ、IoTなどの最前線の情報技術を統合させ、それに貢献できる人材チームを養成せよ。

(原典:Yahooニュース11月5日習近平「ブロックチェーンとデジタル人民元」国家戦略の本気度)

ここで述べられているように技術の統合が重要なキーワードになります。その組み合わせによって事業や業務を革新することを最近の言葉ではDX=デジタル・トランスフォーメーションと呼ばれたりします。DXという言葉はしばしば記事や広告で見かけると思います。この社長の会社が利用しているクラウドサービスには実はブロックチェーンを簡単に利用できるサービスもありました。試そうと思えば今すぐにでも利用できる環境にあったのです。それぞれの技術をどう利用し、どう組み合わせていくか。技術的なことは社員やITベンダーに任せるとしても、社長はやはりトップとして習近平のようにしっかりと会社の将来を見つめる責任があります。

ブロックチェーン=仮想通貨の時代は終わり、様々なソリューションに利用される時代が始まったのです。社長はそれを認識しなければなりません。

2019年11月

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