【RPAコンサルタントの日常】
~Exchange Onlineを使い倒す2 階層型アドレス帳~
Exchange Onlineの見つけにくい機能に「階層型アドレス帳(HAB)」がある。こちらOutlookのアドレス帳に組織階層型の画面を追加する機能である。(図参照)
この組織アドレス帳「単に組織メンバーのアドレスを階層型にするだけ」の、コストパフォーマンスの悪い機能に見えてしまう。(アドレス帳の並び順を役職順に徹底したい会社にとっては欲しい機能であるが)筆者も特に必要のない機能と思っていた。しかし、この機能にはある付加価値が隠されていた。それは、所属部署「予定表」の自動適用である。
ご存知の方も多いかもしれないが、Outlookの予定表で他者や会議室の予定を見たり登録したい場合、他者の予定を「手動で追加」する必要がる。業務上予定を共有しなければならないメンバーをいちいち追加する必要があるのだ。また、組織変更の度にメンバーの追加・削除を行わなければならない。全てのユーザーによる手動なのだ。システム管理者が一括で行うこともできないので、作業をユーザーにやってもらう必要がある。よって、多くの会社は組織の一覧表示のできる予定表ツールを別途導入することが多い。
ところがこの「組織型アドレス帳(HAB)」を設定すると、自分の所属する組織全体の予定表を自動的にOutlookに適用してくれることに気が付いた。特に予定表の設定をしたわけではなく、階層型アドレス帳を適用すれば自動的に設定される。システム管理者は特に個別の設定をする必要はない。組織のメンバーが変更になった際は自動的に変更される。
また、自分の部署以外のメンバーを登録したい場合、その追加も「部署ごと」できるようになる。例えば、階層型アドレス帳にある「営業グループ」を選択すれば営業グループに含まれるメンバー全員が一括登録できる。そして営業グループのメンバーが変更になった際には自動で変更される。(図参照)
ただ、この「階層型アドレス帳(HAB)」はWebブラウザ版OutlookやWindows付属のOutlookには現在のところ非対応である。MS365のOutlookにしか対応していない。リリース予定をみてもこの機能はないようだ。
Microsoft社には是非この機能の継続をお願いしたい。切に願う現在である。
2024年10月
【小早川豊のコラム】