2018年2月5日

【失敗しないシステム導入】

~システム連携の要件定義におけるポイントとは~

企業で利用されるシステムは、単独で稼働するものは少なく、何らの形で他のシステムとデータをやり取りし、連携するシステムがほとんどです。社内のシステムと連携する場合、社外のシステムと連携する場合など様々です。

システム連携の要件定義では、どのシステムと、いつ、どのようなデータをやり取りするかを定義します。要件定義が不十分であったために、ユーザテストの段階で必要なデータが受け取れない、もしくは渡せないために業務が回らないことが判明することがあります。複数システムが絡むため、改修するのに通常の機能よりも工数が多く、納期が長くかかります。システム連携機能の開発遅延が原因で、納期を延長するプロジェクトもあります。このような事態を防ぐためにも、システム連携の要件定義におけるポイントを説明します。

1.実際にお互いの画面イメージを見ながら会話する

システムによって、「同じ意味のデータに異なるデータ項目名がついている」、逆に「異なる意味のデータに同じデータ項目名がつけられている」ということがあります。特に他社のシステムと連携する場合は要注意です。システム連携したら、欲しいデータとは異なるデータであったというケースです。

このような思い違いを防ぐためには、実際にお互いの画面イメージを見ながら会話することが必要です。できるだけ実データ、もしくは実データに近いデータが入った画面イメージで確認します。「999,999」、「XXXXXXXXXX」ばかりの画面イメージでは、データの意味を正確に理解できません。

2.できることだけでなくできないことを明確にする

システム連携することで何ができるようになるかは、要件定義で明確にしていたが、システム連携してから、完全ではなかったことが判明することがあります。

例えばこのような事例です-------------------------------------------------

「顧客の発注データを取り込んで受注データを自動作成できます。再度、受注データを手入力する必要がなくなります」というところまでは要件定義で確認していたが、実際に連携してみると、取り込めるのは製品の受注だけで、保守サービスの受注は手入力しなければならなかった。保守サービスの受注を登録する画面を想定していなかったので、追加開発が必要になった。

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このような思い違いを防ぐためには、できることを確認する際に、合わせてできないことも必ず確認する必要があります。気を付けるだけでは確認漏れが出てしまうので、要件定義のドキュメントに、「できること」と「できないこと」の両方を記述する欄を設けるといった具体的な対策に落とします。

これらのポイントを実行することで、システム連携の要件定義での思い違い、確認漏れを防ぐことがきます。

2018年2月

※ 関連ページ 「RFPとは」