2021年2月8日

【RPAコンサルタントの日常】

~Windows Virtual Desktopの紹介~


Windows Virtual Desktop(以降WVD)とはMicrosoft社が提供している、VDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ基盤)サービスである。VDIとはデスクトップを仮想化してサーバー上に集約したもので、PC上からデスクトップを呼び出して使うサービスだ。作業は仮想化されたデスクトップ上で行うので、PCを盗まれたとしても情報漏洩することはない。また、標準化された設定を展開できるので、セキュリティが強化されるとともに、設定にかかる情報システム部のコストを削減できる。

WVDが他のVDIサービスと比べて圧倒的に優位なのは、マルチセッション機能があることである。通常VDIは一人のユーザーに対して一つの仮想マシンが必要である。しかし、WVDは一つの仮想マシンに対して複数のユーザーが同時に利用できる。このことにより、大幅にマシンのコストを抑えることができる。複数のマシンを立てる必要がなくなるからだ。

一方で、WVDのデメリットはあるか、といえば特にない。強いて言えばWindows OSのライセンスが少しわかりにくいことだろうか。実はWVDはクラウド料金の他に、OSの料金がかかる。具体的にはMicrosoft 365 E3/E5または、Windows 10 Enterprise E3/E5、Windows VDA等のライセンスを利用するユーザー分購入しなければならない。大企業などで、Windows 10 Enterpriseを普段使いしているのであれば、コストはかからないが、多数の中小企業はそうではない。この場合、別途ライセンス費用がかかることになる。このことがWVDの敷居を高くしていると思われるため改善を期待したい。

ライセンスの面でハードルが高くなっているものの、WVDはコストの面で導入のハードルは低くなっている。新型コロナでリモートワークが増えている中、セキュリティを順守したままリモートワークを行うには、以前紹介(2020/5/25)したSplashtopなどのリモートデスクトップツールがあるが、PCが社内用とリモート用の2台必要となる。WVDであればリモート用の1台だけあればリモートワークが可能となる。PCを複数台持たないため、管理コストも抑制できる。

WVDはリモートワークの救世主となるかもしれない。皆さま是非お試しいただきたい。

2021年2月