2015年6月29日
【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】
~システム企画の手順と方法(文書作成①-b)~
※本稿は、2014年12月22日掲載分~システム企画の手順と方法(文書作成①-a)~の次に掲載予定のあったものです。順序が前後して恐縮ですが、セットで完結する内容であるため、今回掲載とさせていただきます。
“個人(individual person)を想定して書く”
個人(individual person)を想定して書くとは、企画書の読者として想定される特定の人物、中でも、組織内で「この企画を実施しよう」(または「実施しない/見直しが必要」)という判断を行う上で、最も影響力を持つ人物を想定して書くということです。
ある人物が情報処理を行う際には、その人物の思考の特性、コミュニケーションの特性が大きく影響します。利き腕、利き目があって身体の使い方が決まるように、人にはそれぞれ「利き脳」というものがあって、思考やコミュニケーションの特性を規定しています。
このことを理論化したものには、「ソーシャルスタイル」、「ハーマンモデル」、「MBTI」等がありますが、ここでは、ソーシャルスタイルを例にとってみます。
ソーシャルスタイル理論は、1968年に産業心理学者のデビット・メリルとロジャー・リードが唱えたもので、人間の思考と行動の傾向を、「自己主張性(assertiveness)」と「感応性(responsiveness)」の2軸によって大きく4つのタイプに分類する考え方です。
自己主張性(assertiveness)・・・他者とのコミュニケーションにおいて、積極的に意見を述べる人はこれが高く、様子を見て周囲に合わせる人はこれが低いといえます。
感応性(responsiveness)・・・・「感情開放度」といえるもので、感情をよく表現する、賑やかさを好む人はこれが高く、感情を抑制する、落ち着きを好む人はこれが低いといえます。
システム企画書の読者個人がどのタイプであるかを考えることで、効果的な企画書の書き方、会議やプレゼンテーションでの提示の仕方が異なってくるといえるでしょう。例えば、ドライバータイプであれば、結論先行、抑制の利いた簡潔な表現が好まれると考えられます。
人間(humankind)と個人(individual person)の特性を意識してシステム企画書の書き方を工夫することで、その企画書をより「読まれやすく、理解されやすい」ものに仕上げることができるはずです。
2015年6月
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※ 関連コラム 【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】 「システム企画の手順と方法(文書作成①-a)」 (2014年12月22日)