2019年7月29日

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

~夏は機器の温度にご注意!~

今年は梅雨がなかなか明けずに1993年以来の冷夏が心配されていたのが、7月後半からかなり暑くなりそうだと言われ始めていて、また去年のような暑さがやってくるかもしれません。「今日は最高気温が30℃だったからそれほど暑くなかったですね」というような「何か違う」時効の挨拶がまかり通る、昭和のおじさんとしてはしっくりこない日々がやってきました。

以前のコラム(2015/2/16)でサーバールームの空調について書いたことがあります。常時エアコンが稼働して室温が適温に保たれているサーバールームに設置したサーバーの類はそれほど心配しなくて大丈夫でしょうが、一般的な室内に常時稼働するNASなどの機器が設置されている場合は、室温に配慮しておかないと特に夏は過熱に起因する故障が起きやすくなります。最近はハードディスクの代わりに半導体素子で構成されたSSDを採用した機器が増えて、SSDならメカニカルな部分がないからハードディスクに比べれば壊れにくくなったようにも思えますが、やはり高温は大敵です。

ハードディスクの場合、装置が稼働中の装置自体の温度ができれば50℃、高くても60℃を超えないようにしておくようにと言われていますが、SSDの場合、その上限がせいぜい10℃高い程度で70℃を超える状態が長時間続くと故障しやすくなるようです。モーターやヘッドなど機器部分はありませんが、半導体自体が電流を流すと発熱する熱源なので常時アクセスが発生する状態なら発熱するのは当然です。特に常時稼働しているデータアクセスが頻繁なサーバー用途に使用する場合はハードディスク内蔵の機器同様に適温に維持することが必要です。

加えてこれらの機器は、記憶媒体を稼働させるために各種の素子と組み合わされて構成されていますが、これらの素子の中には寿命が温度に左右されるものもあり、過熱状態が長く続けば最終的に基盤自体が動作しなくなってしまうため、記憶媒体自体に問題がなくとも動かなくなってしまう危険もあります。室温が常時30℃を超えるような状態、つまるところ、そこで長時間仕事をしたくないような室温で動かし続けることは避けた方が無難です。

2019年7月