2021年726

【失敗しないシステム導入】

全体感を示すことの重要性とは?~


システム開発案件を社内承認してもらうためにシステム企画書を作成したり、ベンダから提案を受けるためにRFPを作成したりすることがあるかと思いますが、個別のシステムだけを説明するのではなく、全体感を示した上で個別のシステムを説明することが重要です。今回は全体感の示し方と全体感を示すのがなぜ重要なのかを説明します。

①システム開発の目的

会社全体のビジネス戦略、IT戦略を提示した上で、開発するシステムの導入目的を説明します。会社全体のビジネス視点での環境認識、課題、解決方針を踏まえ、開発するシステムがそのシステムがそのうちどの課題を解決するのか、システム開発の目的は何かを説明します。これによりビジネス戦略における当該システム開発の重要度、緊急度をより正確に伝えることができます。

②システムの位置づけ

会社全体のシステムマップを提示した上で、開発するシステムの位置づけを表します。会社全体のシステム視点で見た時に、大規模なシステムなのか/小規模なシステムなのか、他システムとのインターフェースがあるのか/ないのか、インターフェースが多いのか/少ないのかを説明します。これにより当該システム開発の難易度をより正確に伝えることができます。

③システム開発スケジュール

会社全体のシステム開発ロードマップを提示した上で、開発するシステムの開発スケジュールを表します。将来のシステム拡張における基盤となるシステムなのか/将来導入予定のパッケージ製品で置き換えられる可能性のある暫定的なシステムなのか、後続するシステム開発が計画されているのか/いないのかを説明します。これにより当該システム開発の重要度、納期をより正確に伝えることができます。


このように全体感を示すことで、個別システムについてより正確に伝えることができます。システム企画書であれば経営陣に適切な意思決定をしてもらえますし、RFPであればベンダからより良い提案を受けることができるでしょう。


全体感を示すためには、会社全体のビジネス戦略、それに基づくIT戦略、システムマップ、システム開発ロードマップが整理され、まとめられている必要があります。仮にこれらのものがまとめられていないのであれば、システム企画書やRFPを作成するタイミングで時間を取ってまとめることをお勧めします。


2021年7