2017年11月13日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~世代の違いによる創業社長のITへの認識~

社長の中でも創業社長というのは個性的な方が多いです。やはり、独力またはチームの中心となって会社を立ち上げ、経営を軌道に乗せることができる人物は人間的なパワーもユニークで大きいのでしょう。ですから、ITに対する関心も白黒はっきりしている社長が多いように感じます。ただし、やはり年代による傾向はあるようです。非常に大まかなくくりですが、以下にありがちなコメント例で比較してみましょう。

・60歳代以上の創業社長 「ITは経営に役立つことは理解している」

・40歳代~50歳代の創業社長 「ITは経営にとって必要なツールである」

・20歳代~30歳代の創業社長 「ITと経営は一体である」

創業社長というのは自社のビジネスが自分の頭と身体に染みついています。自分で試行錯誤して苦労しながら作り上げたものだからです。ですから、60歳代以上の創業社長はその創業期にITが普及していなかった時代であるので、仕事の基本がIT無しなのです。もちろん、長年会社を経営してきたということは時代の変化にうまく対応し、ITの普及にも対処してきたのです。しかし、心のどこかに「自分の時代は・・・」という意識がある方が多いように思います。

40歳代~50歳代は就職した時点ですでにワープロやパソコンが普及し、仕事で使うことには慣れています。むしろパソコン無しには仕事はできないと感じているでしょう。ただし、ITといってもパソコンが主で、パソコン上で使うソフトはワード、エクセル、パワーポイントの主要3大アプリとメール、そして会社の業務システムがそのほとんどです。これらは業務・作業のためのツールです。だから40歳代~50歳代の創業社長は「業務効率の改善」といった目的のIT導入には理解があり、投資もあまり厭わないです。

20歳代~30歳代は幼い時からすでにパソコンだけでなく、インターネットやスマホ、高性能ゲーム機などがすでに身近にあり、いわゆる「デジタルネイティブ」といわれます。この世代の創業社長がビジネスモデルを考えるときは最初からITを駆使することが前提となっています。もしかすると当たり前過ぎて「ITを駆使する」とか「ITが前提」という意識さえないのかもしれません。従ってITに投資するという感覚ではなく、ビジネスを行う上でまず真っ先に必要なインフラとして投資するのでしょう。

もちろん60歳以上の創業社長にもITに対して多くの関心と深い理解を持って、積極的に投資される方も少なからずおられますが、傾向としてはこのような世代間の違いがあるように感じます。この60歳代以上の創業社長の後を継ぐ2代目は30代~40代が多いでしょうから、同世代の創業社長とのITに対する認識が同じなのかそれとも異なるのか興味は尽きません。

2017年11月