2023年6月19

【RPAコンサルタントの日常】

~運用してみて初めてわかったAVDの注意点 ②グラフィックボードの運用


前回(2023/4/10)、Azure Virtual Desktop(以下AVD)の注意点としてアップデートが頻繁にあり、そのたびにマスタイメージを更新し、AVD仮想マシンを作り直さないということを記述した。2点目の注意点として、今回はグラフィックボードの取り扱いについて記述する。

AVD仮想マシンには、グラフィックボード付きのプランがある。NVIDIA社もしくはAMD社のサーバー用グラフィックボードがデータセンターのサーバーに取り付けられ、AVD仮想マシン上で仮想GPUとして割り当てられる。

 

この仮想GPUだが、前回の話と同じで手動でドライバやツール等のアップデートをしなければならない。ドライバがあれば自動で更新するための拡張機能があるが、現段階ではうまく動かない。よって、ドライバやツール等のアップデートがあるたびにマスタイメージのアップデートを行うか検討する必要があり、これまでほぼ毎日アップデートしている。なぜならGPU周りの不具合が解消されることが多いからだ。

 

また、GPUの調整も注意点の一つである。まず、GPU自体のパフォーマンス調整。NVIDIAであればNVIDIAコントロールパネルでアンチエイリアスを無効にしたり、省電力にならないよう最大パフォーマンスに設定する。Windows側にもGPUでアプリを動かすよう設定を行う。またアプリによっては個別にGPUの調整を行う必要がある。こういった調整を行わなければならない。

 

アップデートは年に4、5回はあるので、そのたびに検証、マスタイメージのアップデート、調整、AVD仮想マシンの展開と繰り返す必要があり、かなりの負担を強いられる。せめて拡張機能がAVD仮想マシンに自動展開でき、アップデートも正常に動けば負担も減るのだが、こちらは将来に期待である。

 

このようにAVD運用はなかなか一筋縄ではいかない。

注意が必要である。

 

2023年6月

【小早川豊のコラム】

▶ RPAコンサルタントの日常