猿の手

猿の手

原作は有名な短編小説らしい。ある店に置いてあった猿の手を気に入って買ったのが行商人のフリーマン。彼が主人公かなと思っていると、よろずやをやっているトリローン一家が出てくる。父親ロバートは真面目そうに見えるが、競馬の借金を抱えている。母親は太っていて息子のトムを愛している。トムは店を手伝っているが、バイクを手に入れてレースに出たい。ベリルという婚約者がいる。この家に入りびたっているのがケリー。ある晩フリーマンが絵を買うため訪れる。ロバートは借金の返済にあてたいが、妻は反対する。結局ロバートは絵を猿の手と交換する。猿の手を見たケリーはふるえ上がる。彼が以前体験したことが回想で語られる。ある家に泥棒に入ろうと窓の外から様子をうかがっていると、その家の主人チャールズが友人夫婦と部屋の中へ。夫は酒飲みで疑り深い性格今も妻とチャールズの仲を疑い、とうとう発砲騒ぎに。妻が撃たれたように見えるが、その後夫による心中とか言ってる。ここらへんはどうなったのかはっきりしない。その時ケリーが盗んだ猿の手が、回り回って今ロバートの手に。猿の手には三つ願い事ができるが、必ず悲惨な出来事が起きるらしい。呪いなのか偶然なのか。うわさはすぐに広まるが、ロバートが200ポンドの借金を返すには猿の手に頼めばいいのだと気づくのはしばらくたってから。トムが盛んにバイクの話をするので、どうなるかは見え見え。雨の中でしかも夜のレース。ベリルの目の前でスリップして横転。うつるのはここまでだが、この後炎上し、トムは大ヤケドを負って死んだらしい。会社から出た金が200ポンド。どうしてもあきらめきれない母親は、どんな姿でもいいから生き返って欲しいとロバートに頼んで願わせる。嵐の晩・・誰かが扉をノックしている。息子だと狂喜する母親だが、錠が堅くて扉が開かない。とっさにロバートは三つ目の願いを・・。最初の方で母親が朝、寝ているトムにお茶を届けるシーンがある。彼女にとってこれが一番の幸せ。出征中は無事に帰ってくるようどんなに願っていたことか。そんな彼女の幸せはもう戻ってこない。やり直そうと言うロバートが憎たらしい。金もないのに競馬に金をつぎ込んだアンタが一番悪い!どうせなら実はベリルには赤ちゃんが・・とか、そういう少しは希望の持てる結末であってもよかったのにねえ。