光る君へ

光る君へ約束の月

久しぶりの大河。どうせまたとんでもないもの見せられるんだろうな。だって1000年前の人だもん。一年持たせるためにはあることないこと・・。いちおう見る気になったのは宣孝役が佐々木蔵之介氏だから。いい配役だと思う。宣伝では盛んに式部と道長のあることないこと強調しまくってる感じだけど、私は宣孝の存在って重要だと思うんだよな。関係ないけど佐々木氏の「陰陽師」続編やってくれないかしら。待ってるの私だけじゃないと思うが・・。それにしてもまひろという名前は何ですかね。諾子とか香子とか子がつく名前だと思うんだけど。そりゃ香子説に反対の人もいるだろうから全く違うまひろにしとけってなるのかもしれないけど。まひろ役の子はかわいい。大きな目で上目使いで。の道長、三郎役の子も柄本佑氏と感じの似た子出してきている。為時(岸谷五朗氏)は学究肌で真面目一方で世渡りがへた。そのため無官が続き暮らしは貧しいが、母のちやははやさしくて気丈。大丈夫、大丈夫・・って、そういうどこかのお母さんのCMあったな。式部には姉がいたことがわかっているけど、ここでは省略されてる。何でかな。兄という説もある弟の太郎・・後の惟規と二人姉弟。太郎は学問が苦手。じっと座ってられない。まだ小さいもんね。宣孝は一回目から登場してくれてうれしい。何しろ式部と結婚してニ、三年で死んじゃうから、今のうちに出てくれないとね。三郎は三男なので家を継ぐわけでもなく気楽な身分。黙っててもある程度出世はできる。真面目でしっかりした長男道隆(井浦新氏)と、のんびり屋の三郎の間にあって、イライラ不満をため込んでいるのが次男の道兼(玉置玲央氏)。何かにつけて三郎をいじめる。とは言えちょっと極端に描かれすぎ。途中為時は兼家(段田安則氏)の好意で東宮に学問つける役に。思いがけないことで喜ぶけど、兼家の本心は東宮がどういう人物か知ること。要するにスパイしろってこと。この東宮・・後の花山天皇の描かれ方がまた・・。子供の頃からああだったのかね。この時点ではまだ一条天皇は生まれてなくて、詮子(吉田羊さん)が円融天皇に入内したところ。まあそれなりに中流貴族の貧しい暮らし・・雨漏りも直せない、使用人が次々にやめる・・「源氏物語の蓬生」状態とか、いい感じで来るけど最後の方でドッカ~ン!!やらかしてくれました。ちやは殺人事件・・ちやはや・・じゃない、いやはや。

光る君へ2めぐりあい

一気に6年たって、まひろ(吉高由里子さん)は男子の元服にあたる裳着をすませ、大人の仲間入り。母の死以来為時とは心が通わなくなっている。病死ということにしてあるが、宣孝も真相は知っていて、為時に理解を示す。まひろには忠告する。成人後の貴族女性はみだりに異性に顔を見せたり言葉をわしたりしないと思うましてや大通りを走ったりなんてありえないと思うが、それだと話にならないので・・第一三郎と再会できない。このところまひろは絵師(三遊亭小遊三氏)のところで代書屋をやっている。若々しく活発な少女だが、式部だって最初から暗かったわけじゃない。少女時代は普通に明るかったのだ。暗くなるのは夫に死別した頃から。和歌を頼まれる際、”夕顔”という言葉が出てくる。前回まひろは飼っていた雀が逃げてしまい、追っかけて行ってその際三郎と出会うのだが、雀が逃げるのは”若紫”と同じだなと思って見ていた。でも、三郎イコール光源氏だということまでは思いつかなかった。これからは毎回そういう楽しみもあるのか。詮子は皇子を産むが、帝の寵愛は遵子の方にばかり注がれ、ここ数年夜の訪れはなし。何とか振り向いてもらおうとを送るが、ありえないほど冷たい仕打ちを受ける。兼家は為時からの報告で東宮(本郷奏氏)が痴れ者確信。まずは帝に退位してもらうため、軽く(←?)毒を盛るよう道兼に命令。今では道兼もちゃんと仕事しているけど、こういう汚い仕事は彼に回ってくる。数年前の過ちが祟ってくる。何しろ秘密を守るため兼家はあの時の従者を始末したのだ。それに道隆には将来のためにもこういう汚いことはさせられない。道兼はあの時の血にまみれた姿を三郎・・道長に見られたことがずっと気になっている。たぶんそのせいで彼の三郎いじめもストップしたことだろう!さて街中で偶然再会したまひろと道長だが、お互いなぜか本当の素性は言わない。そのうち帝は具合悪くなるし、東宮はホントはボク意外と賢いのよとなるし、男性平安貴族のドロドロは快調に展開する。藤原実資役で秋山竜次氏が出ているが、ややはち切れそうな感じで実資のイメージとは違う。でもこの頃は実資だってまだ若かっただろうしな。

光る君へ3謎の男

どうもオープニングクレジット部分に違和感感じるのだが、私だけかどうせなら源氏物語絵巻をバックにうつせばいいのに。前回ラスト、放免にとらえられた道長だが、すぐに身元がわかって釈放される。でもまひろはそんなこと知らないからさんざん心配する。男は夜現われてまひろに道長の無事を伝える。安倍晴明(ユースケ・サンタマリア氏)は帝のため儀式を行なうけど、毒をやめれば当然少しは回復する。実資は陪膳係の女房を疑ったけど、かえって彼女達から嫌われるはめに。それにしてもこんな汚い仕事やらされて、それでも兼家に頼りにされると感激している道兼が哀れ。道隆の方は定子をいずれは入内させて・・と、こちらはのどかなもの。道長は兼家に叱責されても外歩きをやめない。為時に代書屋を禁じられたまひろは弟に頼んで三郎を捜してもらうがうまくいかない。お互い忘れられない人になっているのだが、なかなか再会できない。道長は同じ年頃の藤原公任や藤原行成と一緒にいることが多い。雨は降っていないけど”雨夜の品定め”でも始まるのかと思っていたら、サラッと通り過ぎていたな。道長のたもとに入っていた文は誰からのもので、何が書いてあったのだろう。今回描写されるのは彼が貴族の世界にいても何となく浮いていること。道隆のようにレールが引かれているわけではないし、道兼のように認めてもらいたいとあせっているわけでもない。公任や行成のように和歌や書に秀でているわけでもない。一方まひろは為時に言われ、遠縁にあたる穆子(石野真子さん)のサロンへ。娘の倫子(黒木華さん)は後に道長の正室となる女性。サロンの中心になっているのは赤染衛門(鳳稀かなめさん)。まひろはこういう場は初めてなので気後れしているが、みんなで優雅に楽しむべきゲームもつい本気になってしまい、気まずい雰囲気に。しかし倫子は上手にその場の雰囲気を和らげる。帰宅したまひろは為時の真意が倫子周辺をスパイすることであったと知り、悔し涙を流す。

光る君へ4五節の舞姫

あの謎の男は散楽の演じ手の一人直秀だった。あちこち忍び込んでいるから演じる題目には事欠かないのだろう。まひろは自分が為時の娘であることを明かす。道長も意を決して明かそうとした時、邪魔が入る。偶然通りかかった宣孝がまひろに気づき、声をかけてきたのだ。道長のことは別として、まひろは宣孝には何でも話せる。何しろずっと年上だし、為時と違って世慣れている。一方帝はとうとう退位を決める。次の帝は花山天皇だが、兼家はどうやったら早く退位させることができるか、それしか考えていない。花山の次は自分の孫が帝に、そうすりゃ権力がふるえる。詮子は円融帝にあいさつに行くが、自分に毒を持ったと言われ、愕然とする。もう父親も兄弟も信用できない。東宮となった我が子だっていつ同じ目にあうかわからないからだ。円融帝にはずっと遠ざけられていた詮子だが、それでも帝のことを思い続けていたのがわかり、気の毒になった。まひろが五節の舞姫にというのはフィクションだろうが、普段は深窓にいて見ることができない若い女性を、この時ばかりは見ることができると言うので、男性陣はさぞ注目したことだろう。源雅信は娘倫子を出すよう言われ、困惑する。無類の女好きである花山帝の目にまったら困るし、倫子も絶対いやだ。で、代わりにまひろが出ることに。ところが観客席に母の仇である道兼がいて、その隣りには三郎・・!何とか舞を終えて引き下がったが、彼女は失神してしまう。緊張のあまり気分悪くなった舞姫のことは「紫式部日記」にもある。夜とは言え、昼間のように明るく照らされた中で顔をさらすというのは、たいていの女性にとっては苦痛であっただろう。道長が舞姫に興味を持たず、居眠りをしているのはまひろとは好対照でよかった。

光る君へ5告白

倒れたまひろはそのまま寝込んでしまう。為時は6年の間に道兼のことを忘れてくれていたらと願っていたけど、そうはいかなくて。ただ、惟規の将来考えると、ことを荒立てて欲しくない。それでなくても出来が今いちなのだから。道長はちゃんと為時のいるところでまひろと会いたいと文を寄こすが、彼女は二人で会えるよう直秀に助力を頼む。で、道長は衝撃の事実を聞かされることとなる。自分がどういう立場にいるのか、権力を手にするためにはどんな汚い手も使う一族の一人として逃れられない運命なのを知って愕然とする。今までの柄本氏はのほほんとした感じで、貴公子にしては締まりのない顔つきだったけど、お気楽な人生が一変し、苦悩し始めると何やら奥行きのある雰囲気になってきて、見直したと言うかこれからが楽しみと言うか。段田氏の悪役ぶりもいよいよ快調。花山天皇が寵愛している弘徽殿の女御が懐妊。もし皇子が生まれたら東宮の将来も危ないってんで安倍晴明に呪詛を命じる。毒を盛られたり呪いをかけられたり、身分の高い人は大変ねえ。今回兼家の妻の一人藤原寧子(財前直見さん)が出てくる。「蜻蛉日記」を書いた人だ。大変な美人だったらしいが、この頃は息子の道綱もかなり大きくなってるから・・。一般的には右大将道綱母と表記されていて、本名はわかっていない。しかし父親が藤原倫寧だから寧子にしたのだろう。倫子はもう出てるし(読み方は違うけど)。倫子と言えばいつ道長に会うのだろう。そっちの方が楽しみだったりして。まひろの告白を聞いた道長が走って帰ってしまい、直秀が「帰るのかよ」と呆れるところが笑えた。普通なら泣いているまひろを抱きしめて慰めるところだ。直秀役毎熊克哉氏はヒロシ氏によく似ている。

光る君へ6二人の才女

40年ほど前NHKで「おしゃべり人物伝」という番組があって、そこで檀ふみさんが清少納言をやっていた。テキパキしていて、小林克也氏演じる夫を振り回していてすごく印象に残った。私宮仕えしますから別れますねみたいな感じで、あっけらかんとしていてとてもおもしろかった。次の回ではかとうかずこさんが紫式部をやっていて、こちらは明るい清少納言とは反対に沈んだ感じだった。今回大河で清少納言こと、ききょうを演じているのはファーストサマーウィカさん。頬がぷっくりしているところは檀さんに似ているけど、声は全然違う。さて、長年父為時との間がぎくしゃくしていたまひろだが、様々な経験を積むうちに少しずつ理解できるようになる。生きていくためには耐えなければならないこと、忘れたふり、気づかないふりをしなければならないことの何と多いことよ。これからも左大臣家のサロンに出入りして情報を集めよう。こっちなら道長に会わないですむ。為時は以前花山帝の学問の指南役だったし、それは兼家に命じられてのことだったし、今度はまひろが左大臣家に出入りするしで、わば全方位外交ですな。ところで今何十年も前に買った「大鏡」を読んでいる。もちろん現代語訳だけど、大河ではひどい描かれようの義懐達も別に悪く描かれてはいない。ところで私は道隆の死は長らく疫病のためと思い込んでいたが、実際は長年の飲酒が原因だったらしい。その道隆が今回は存在感を見せる。夫人貴子の提案で漢詩の会を催し、知的に優雅にふるまって義懐達になびきそうになっていた公任らの心を引き戻す。兼家とは違う方法で・・というところを見ている者に印象づける。しろ兼家のやり方は毒を盛るとか晴明に命じて呪詛させるとか暴力的。そのせいか花山帝の寵愛を一身に受けていた怟子は懐妊していたが、子を産むことなく死亡。これが985年のことで、道長と倫子が結婚するのは987年だからまだあと2年ある。倫子の飼っている猫がかわいい。猫を追いかけて・・みたいな部分は「源氏」の女三の宮を意識しているのか。

光る君へ7おかしきことこそ

怟子を失った花山帝はすっかり気落ちし、政は義懐に任せたまま。兼家は怟子まで死なせることはないのにと、今頃になって晴明を責めるが、そんなに都合よくいくかっての。晴明は兼家に何を言われたって平気だ。陰陽師にうっかり手は出せない。彼らに呪詛されたらどうなるか、怟子の例を見ればわかる。今回の兼家は今までの自信家ぶりはどこへやら、悪夢におびえ、添い寝していた寧子が大丈夫、大丈夫と落ち着かせたりする。その間にも息子道綱のアピールを忘れない。為時は花山帝を見ているのがつらく、間者をやめたいと兼家に申し出て、あっさり許可される。それで心が軽くなって家へ帰ると、ちょうど来ていた宣孝にすぐ取り消せと言われる。召使のいとまでしゃしゃり出て、前みたいな貧乏暮しはいやだと泣く。一方まひろは散楽のネタを考え、直秀達がやって好評を博すが、藤原氏・・右大臣家をおちょくっていると言うので騒ぎになったりする。と言うか、あのネタおもしろいか?後半は道長達による打毬が出てくる。俳優達は馬を乗りこなし、タマを打ち、大変だね。見物に来ていた倫子はどうやら道長にポ~ッとなったようで。公任の代わりに助っ人として参加したのが直秀。試合が終わった頃になって雨が降り出し、行成達は濡れた体を拭きながら言いたい放題。偶然立ち聞きするはめになったまひろは、その内容にショックを受ける。と言っても若い男性にとってはただ本音を言っただけ。夜じゃないけど雨が降ってて女性の品定めしてるから”雨夜の品定め”か。道長はそんなことより直秀の腕の傷を見て驚く。盗賊に矢を射って当てたことがあったけど、あれは直秀だったのか。今回印象に残ったのは、兼家に叱責された後、道長と顔を合わせた時の晴明の何とも言えない表情。たぶん天下を取るのは道長・・ってピンときたんだと思うよ。あと、酒をみかわし、道隆が道兼の肩を抱いて温かい言葉をかけるシーンと、そこへやってきた貴子がその場の空気を察してそのままスッと戻るところ。

光る君へ8招かれざる者

この時代の人の名前の読み方は面倒だ。晴明はほとんどの人は「せいめい」と読むけど、ここでは「はるあきら」。源雅信は日本古典文学全集では「まさざね」だけど、ここでは「まさのぶ」。女性は普通「定子→ていし」、「彰子→しょうし」がここではさだこ、あきこ。「倫子→りんし」はのりこかと思ったらともこでした。前回男達のおしゃべりがショックだったまひろだけど、考えてみりゃ倫子達のサロンだっておんなじようなことしゃべってると思うよ。道長は直秀を弟ということにして打毬のチームに加えたけど、誰も疑ってない。化けるのはお手の物。道長に腕の傷のこと聞かれたけど、さらっと受け流す。兼家は道長を左大臣家の婿に・・と考えているが、雅信は渋る。でも倫子にとってはこの上なくうれしいことで。ある日兼家が宮中で倒れ、重病となるが、え~とまだ花山帝は退位してないし、道長は結婚してないし、てことは持ち直すのかな?僧の読経のせいか、晴明の祈祷のせいか、怟子の霊が取りついているのだ・・となる。今回道兼の複雑な境遇が描かれる。大河がスタートして2ヶ月だけど、まひろと道長のたぶん実ることはないであろう恋愛なんか見せられたってちーとも興味持てないのよ。ありえなさすぎて。それより権力争いとか、邪魔者を取り除くための卑劣な企みとか、ドロドロ、ネチョネチョ、でもそうやってしか生きられない貴族達のあれこれの方がよっぽどおもしろいわけよ。ありえないことがまじっていたとしてもね。そういうのとはできるだけ距離を置こうとしているのが為時。彼は学問研究ができさえすればいい。と言うか、天下は暴力ではなく知的な方法でおさめるべきだと思っているのだろう。そんな彼をなぜか道兼が酒持参で訪ねてくる。彼は7年前に殺めたのが為時の妻だとは気づいていないし、為時の方も黙ってる。まひろも驚くけど結局黙ってる。ラスト、東三条院へ泥棒に入った直秀が仲間と共につかまり、道長の前へ突き出される。打毬の後それとなく案内してもらって下見はできてるからと調子に乗るからこういうことになる。直秀役の毎熊氏は貴族の格好すると野村萬斎氏によく似ている。

光る君へ9遠くの国

少々意外だったが、直秀は今回退場。ずっと最後まで出てくると思っていたのに。よくあるでしょ。主人公達とは違った立場、視点で彼らを見続ける、多くは架空の人物。いちおう盗賊なので道長も見逃すわけにはいかない。しかし検非違使に心づけを渡して遠く追放くらいですませるよう図るが、一座全員殺されてしまう。金を受け取っておきながらなぜ道長の指示を無視したのかは不明。筋が通らないが、武者がそれだけ貴族をバカにしているってことなのか。でもこの流れは不自然。直秀達の方が人数多いし、鳥辺野へ向かう時点で警戒心抱いたはず。道長は一般的には傲慢で自信たっぷりというイメージがあるが、実際は神経が繊細で冷酷なことや非情なことには耐えられなかったらしい。今回の件はフィクションだが、彼はそういう性格だったとわかった上で見ていれば、あの嘆きようも馬鹿らしいとは思えなくなる。さて、兼家の病は仮病だったとわかる。これは晴明のアイデア。前回見ていた者は道兼に同情したが、実はみんな芝居。あらまあ。義懐達はあせっている。花山帝に皇子が生まれてくれないと困るのに、帝は怟子のことが忘れられず他の女性には見向きもしない。と言って今のところ退位は考えていない。しかし方法はある。兼家が回復した今、彼に取りついていた怟子の霊は内裏へ。成仏させるには帝が出家して供養するしかない。と言うわけで来週あたり道兼がそそのかして・・。

光る君へ10月夜の陰謀

晴明のお告げ(←?)によると、花山帝を出家させるのは6月23日の2時間の間。それを逃がすと花山帝の時代が続いてしまう。兼家は道綱も含めた四兄弟に計画を話す。花山帝に信頼されている道兼が重要な役割を果たし、道長の役は軽い。もし計画に失敗しても道長はこの件については知らぬ存ぜぬで通すよう兼家は念を押す。一族が全滅したのでは元も子もないからね。為時は家をけることが多いが、まひろが妾の家を訪ねると、身寄りもなく病気で先の長くない妻の看護をする為時が・・。もう一人の奥さんでもいっこうにかまわないけど、まひろの腹違いの姉とか、そういうのでもよかった気がする。姉がいたのは事実なんだし、病気で亡くなったらしいし。姉との交流で恋の苦しさとか悩みを知ったりして。今のところまひろには親友らしい女友達が出てきていない。倫子達は親友とはちょっと違うと思う。そのうちまひろと道長との一夜へ。あらまあ。ああいう廃墟のような屋敷には浮浪者とか住み着いているはずだが・・。たぶん多くの人は「源氏物語」の「夕顔」を思い浮かべたはずだ。それにしてもまひろは初めてにしては(←何が?)冷静すぎないか?途中詮子が源高明の娘明子と道長をくっつけようとしているのがわかる。倫子も明子も源氏。終わりの方になってやっと決行当日に。ありえない一夜より本当にあった一夜のことの方が気になる。道兼が花山帝をだまして出家させたのは「大鏡」にもあるけど、あんなふうにあからさまに態度を豹変させたわけではないだろう。実際は出家する前の姿をもう一度家族に見せてからとか言っていなくなったらしい。まあこの方が後で言い訳できる。家族に引き止められてどうしようもなかったとかさ。

光る君へ11まどう心

官職を解かれ、気落ちする為時。まひろは倫子に頼んで口添えしてもらおうとしたが、断られる。それで直接兼家に直談判しに行くが、為時の方が自分から遠ざかったのだと言われてしまう。ここらへんは見ているのがつらいです。ありえなさすぎて。兼家は忙しい。邪魔な花山帝を追い払い、孫の一条天皇の摂政としてやることいっぱいある。道隆はゆくゆくは娘の定子を一条帝へ入内させたい。息子の伊周も成長した。そこへ道兼が自分だけ何で宴に招かれていないのだと文句つけにくる。花山帝退位に一番功があったのは自分なのに。それをうまくなだめる兼家。宴の席には晴明も招かれていたが、彼の目には伊周や定子の将来が見えていたのでは?何食わぬ顔をしているけど、表情は不気味。久しぶりに顔を見せた宣孝は、まひろの行動に呆れる。裕福な婿でも取れば生活は安定するのだが、そんな当てはない。使用人は乙丸といとを残して暇を出し、まひろは家事に精を出す。亡き母もやっていたことだ。一条帝の即位式で高御座にあるものが置かれていたため大騒ぎになる。見ていてもよくわからないが、たぶん人間の生首。「大鏡」にも記述がある。ここでは道長が処理していたが、実際は兼家が報告を聞いても寝とぼけたふりをして式を強行したことになっている。誰の仕業かは不明だが、花山院がしきりに呪詛している描写が出てくる。前回義懐達はひどい描かれようをしていたけど、裏切った道兼とは違い、義懐も惟茂も院の後を追って出家している。花山院に皇子がいないのでは、この先自分達が権力を握るチャンスはないからね。ラスト、北の方は無理だけど一番愛しているのはまひろだからとプロポーズする道長。でも断られてさすがに頭にくる。確かにねえ・・まひろは道長にどうして欲しいんでしょう。

光る君へ12思いの果て

為時の妾なつめには前の夫との間に娘さわがいた。まひろが大急ぎで連れてきたさわに会うことができたなつめは、安らかに旅立つ。これがきっかけでまひろとさわは親しくなる。さわの方が年下で、人懐っこい性格。一方兼家から道長を倫子の婿にしてくれと強引に頼まれた雅信は困惑する。当の倫子もいやがるどころか一緒になりたいと懇願。その一方で詮子は源高明の娘明子を道長の妻にという話も進める。おおらかな倫子と違い、明子は父を左遷に追いやった藤原氏を恨んでいるようで。まひろの婿捜しを買って出た宣孝は実資に目をつける。年齢はかなり違うが裕福だし学識も豊か。何よりも権力に媚びない。ただこの頃実資は赤痢にかかっていてヨレヨレ。こりゃだめだということになる。ここらへんはコメディータッチ。後年式部は道長と不和になった彰子と実資の間を取り次いだことがわかっている。双方に信頼されていたということだ。婿捜しのエピソードはフィクションだが、そんなことを思いながら見ていた。そのうちまひろは妾でもいいから道長と一緒になりたいと思い始めるが、時すでに遅し。何かあると感情的にならず、変に冷静になってしまい、みすみすチャンスを逃すというのがまひろの性格らしい。

光る君へ13進むべき道

一挙に4年たって990年、道長は倫子との間に彰子をもうけ、明子との間にも子供ができたところ。兼家は老いが目立ち、そうなると後継者は・・となる。道隆の娘定子(高畑充希さん)は一条天皇に入内。と言っても一条帝はまだ子供なので、定子は遊び相手というところ。道兼は自分の娘も入内させるつもりだが、まだ幼女。道兼に取り入ろうとするのが公任。何しろ花山帝退位に功のあったのは道兼。出世争いから遠く離れたところにいるのが為時。貧乏暮らしが続く。今回宣孝がハデな格好をしていたが、御嶽参詣にこの格好で出かけ、ばちが当たるどころかこの後筑前守に栄転というのは「枕草子」にもある。さて、明子は父親・・高明の無念を晴らしたいと、兼家を呪詛する気でいる。兼家愛用の扇を手に入れ・・。こういうキャラにされちゃったこと墓の下の明子はどう思うかね。私そんなことしてな~い!とか文句言うんじゃないの?

光る君へ14星落ちてなお

兼家は道隆を後継者に。これに怒った道兼はこの後喪にも服さず、呆れた妻は娘を連れて出て行ってしまう。死の床にある兼家に向かって寧子は「道綱、道綱」と呪文でも唱えるみたいに呼びかける。寧子にとっては道綱の出世だけが生きがいなのだが、道綱にはありがた迷惑だったかも。ところで道隆は兼家が円融院に毒を盛ったことも、道兼が人を殺めたことも初耳だったことがここで明らかに。汚れ仕事を引き受けることで兄を支えろと言われたってねえ・・そりゃ道兼怒りますわな。一方兼家を呪詛していた明子は、思いはかなったものの、流産してしまう。何も知らない道長は明子を見舞い、やさしい言葉をかける。流産のことは倫子も知っていて、道長が時折ぼーっとしているのは明子のせいだと思っている。まひろのことを思っているのだとは気づいていない。道隆は息子の伊周を蔵人頭に任命。この伊周はまだ17歳だが、容姿が美しく、才能も豊かで源氏のモデルになったと言われてるほど。母の貴子はそろそろ妻を・・と考え、候補の女性数人を呼び、伊周に透き見させる。にぎやかしで呼ばれたのがまひろとききょう。会うのは数年ぶり。ききょうは夫や子供を捨ててでも(実際の清少納言は十代で結婚して子供もいる女房になりたいと思っている。宣孝は筑前守に任ぜられ、為時やまひろとはしばらくお別れだ。まひろはたねという少女に字を教えるが、たねの両親は・・。ここらへんはフィクションなので見ているのがアレです。反対されるに決まってるじゃん。まあこうでもして話作らないとまひろはすることないんですわ。兼家から道隆の時代へとまわりは動いているけど、まひろには何も変化が起こらない。宣孝が戻るのは995年頃だし、為時が越前守になるのは996年だ。

光る君へ15おごれる者たち

993年道隆は摂政から関白へ。雅信は死に、明子はまたおなかが大きい。呪いだの復讐だのはもうやめたのか。道長はやさしくしてくれるしね。一条天皇はりりしく成長。定子との間に一刻も早く皇子が生まれて欲しいが・・。ききょうは念願かなって定子のところへ出仕。彼女には定子や一条帝が光り輝いて見える。道隆の身びいきは激しく、除目は思いのまま。おまけに定子のため公の金までつぎ込む。自堕落な生活を送っていた道兼は道長の支えで立ち直ったのか内大臣に。今回は例の伊周との弓比べが出てくる。道隆が体がだるいと言ってるのはそろそろ肝臓が・・ってことか。大酒を飲むシーンは出てこないけど。何となく道隆が悪役になってつつある。何しろ道長を悪役にするわけにはいかないからね。それにしても若い連中はみんなおんなじ顔してるなあ・・。美形揃いなのは確かだけど。まひろはさわと共に石山寺へ。そこには寧子も来ていて、人生の先輩だから忠告も神妙に聞く。遅れてやってきた道綱はまひろに目を止め・・。夜忍んで来たら寝ていたのはさわで、あれれ?となるのが笑える。まひろが何か書いてみようと思い始めるきっかけとして寧子がうまく使われていた。その一方で疫病がはやり出し・・。

光る君へ16華の影

さわはまひろと寧子との会話にも入れず、道綱にも相手にされなかったことにショックを受ける。へそを曲げ、まひろが手紙を書いても返事は来ない。都では疫病が蔓延し、死者が続出。たね一家も死に、悲田院で人々を助けようと奮闘していたまひろも感染。偶然視察に来ていた道長が気づいて連れ帰り、看病するという、あらまあの展開。この頃は特に夏になるといろんな病が流行していたようだ。弘徽殿から火が出たのは994年の2月。・・てことは道隆、道兼の死までにはあと1年ほどあるな。道兼の死因ははやり病だけど、今回は感染しなかったってことだ。自分の役目は汚れ役と、いつの間にか達観したようで、まあこの大河ではキャラがあれこれ変化する。その時によっていい人になったり悪い人になったり。道隆は悪い人になってる。疫病は下々の者がかかるもの。それより定子に皇子が生まれることの方が大事。他に有名な清少納言の「香炉峰の雪」のエピソードが出てくる。伊周の弟隆家も本格的に登場。少し前「英雄たちの選択」でも取り上げられていたけど、貴族と言うより武士っぽいタイプ。倫子は第三の女の存在を疑い始める。明子は身分が高い(醍醐天皇の孫)から、道長が彼女のところへ通っても子供ができても嫉妬の対象にはならない(たぶん)。

光る君へ17うつろい

今回は道隆の死。盛んに水を飲み、目も見えにくくなっている。重度の糖尿病だ。呼びつけられた晴明には誰かの呪詛ではなく、治る当てのない病気とわかるので、祈祷は弟子にやらせる。995年だと晴明は75歳くらいか。道隆に会って身が穢れたことの方が気になる。相変わらずサンタマリア氏の表情がいい。何考えてるのかわかりにくい、眉がちょっと下がったような・・。道隆は伊周を関白にしたいが、伊周は他の公卿達には嫌われている。一条帝は道隆の言いなりだが、他の公卿がこぼしているのを漏れ聞いて、少しは自分の意見を・・という気になる。だから道隆に懇願されてもすぐには受け入れない。詮子は道兼が嫌いだが、伊周はもっと嫌いなので、道隆の後は道兼・・と思っている。その道兼は道隆に自分の一家のことをくれぐれも頼むと言われて困惑する。せっかく詮子や道長が後押ししてくれてチャンスがめぐってきそうなのに、何で高慢ちきな伊周を支えなきゃならんのかよ・・ってか?道隆は以前はもっとやさしい性格だったが、権力を手に入れて変わったというふうにしてある。彼には自分の家族以外のことはどうでもいい。定子はとにかく一条帝を守っていきたいと思っている。父には皇子を産めとさんざん言われるが、機械じゃあるまいし言われてすぐにできるかっての。明子の方は兄の俊賢に女の子を産めと言われている。入内させるには女の子でないと。明子はすっかり表情もやわらかくなった。まひろの方はさわと仲直り。内裏のドロドロとは無縁の世界。

光る君へ18岐路

995年・・道隆の死後、道兼が関白に。しかし疫病のため死亡。七日関白と言われることに。彼はすっかり心を入れ替え、道長の支えのもと、善政を敷こうと決意していたのに・・。一度はチャンスを逃したかに見えた伊周は、今度こそ・・と道兼の死を喜ぶ。道長はさほど人望のある方ではないし、天下を取る気もない。伊周もアレだけど、母親貴子もかなりアレ。天下を取るのは我が中関白家に決まっているの・・みたいな。道隆の時もそうだったけど、伊周に対しても今のままでいい、改めることなんか何一つないって感じ。育て方間違ってない?一条帝は定子にぞっこんだから伊周を関白にと決めていたけど、母親の詮子が乗り込んできて道長にしろと迫る。吉田羊さん迫真の演技。袈裟みたいなの着てるのは出家したからか。大河では描かれないけど円融院は991年に崩御、他には道綱の母寧子も995年頃に亡くなったらしい。話を戻して母を取るか妻を取るか一条帝は悩む。結局道長が内覧宣旨に。実質的には最高位で、伊周は腹いせに定子に当たる。道隆同様早く皇子を産めと迫る。そんなに皇子が欲しいのなら自分で産め!(←??)それにしても左大臣に右大臣、内大臣でしょ、太政大臣でしょ、摂政に関白でしょ、どの順番に偉いんだ?さて宣孝が任期を終えて帰ってきた。たいていの国司は任期の間にがっぽり儲ける。国にもよるけどね。逆にさわは父親が肥前に下るのについていくはめになったのを嘆く。せっかくまひろと仲直りしたのに・・。さわは架空の人物だが、式部には姉妹の約束をした親しい友人・・しかも肥前に下った・・がいたことは残された歌からわかっている。ところでこの大河は毎週ダンナと一緒に見ているのだが、毎回必ず「この人誰?」と聞かれる。しかも何度も。さっきも教えてあげたのにしばらくするとまた「この人誰?」まあそれも無理はないのだ。みんなおんなじ顔してるから区別がつかないのだ。ラスト、例の屋敷が出てくるけど、あれから何年もたってるしいっそう廃墟みたいになってるはずなのだが・・。第一あの時代に高貴な方々はこんなところは避けると思うよ。夕顔を殺したような霊やら妖怪やら何やらが住み着いてるに違いないところへ近づくはずがない。

光る君へ19放たれた矢

一条帝に関白になりたいか聞かれた道長だけど、そんな気はなし。陣定で公卿達の意見を聞く方が大事。要するに道隆のようにはなるまいってこと。彼は内大臣の伊周を飛び越して右大臣に。それがおもしろくない伊周や隆家は陣定を欠席するように。明子の兄俊賢が二人を訪ねるので、あれれ?道長を裏切るの?とびっくりしたが違った。この先道長にとっては頼りになりそうな人だ。まひろの方はききょうの口利きで定子の御前に。おまけにそこには一条帝現われ・・ついでに伊周や隆家までも。どうせでっちあげるならとことん・・てことですな。定子のいる登華殿へ行く途中の廊下には画びょうみたいなものがまかれてい。調べてみたら一条帝入内した女性は、定子や彰子以外に道兼の娘尊子を始め数人いるが、いずれもこの時期より後。でもここでは天皇に来てもらえない后がいて、その女房達が定子を妬んでいやがらせ・・「源氏物語」の桐壺みたいに・・ということなのか。ラストは長徳の変。通っていた光子のところへ別の男が来ている・・と思い込んだ伊周。実際は光子の妹のところへ男がお忍びで来ていたのだが、落ち込む伊周を励まそうと隆家がとんでもないことをしてしまう。調子に乗って矢を射かけるが相手は何と花山院だった。大河を見ていてもよくわからないが、隆家は979年生まれ。事件が起きたのは996年の初めだから、彼は16か17で今で言えば高校生。こんなアホなことしでかしても不思議じゃないが、まあ相手が悪かったですな。花山院も出家の身で女のところへ通うなんて・・いいの?でも相手は怟子の妹、まだ忘れられないのね・・とちょっと気の毒に。

光る君へ20望みの先に

花山院は表沙汰にしたくなかったけど、院の従者二人が死亡したため騒ぎに。一条帝は伊周らの処分は除目の後で・・ということにする。為時は下国の淡路守でも喜んでいたし、まひろも一緒に行くつもりだった。他の世界を見てみたい。越前守になった源国盛が漢文が苦手で、人が70人も漂着したというのにこれでは・・となるのはフィクションか。でも今回それ以上にとんでもないシーンが・・。淡路守任命に落胆した為時の漢詩を読んだ一条帝がふさぎ込み、それを知った道長が越前守に変更してやるというのは有名な話。でもここではまひろが為時に内緒で漢詩を作って送り、それがきっかけで・・。いやこれって相当無理があると思うよ。でもそうやって無理にでもでっちあげないと、まひろはストーリーに絡みようがないんですわ。さて、詮子が体調を崩すが、あら?彼女が死ぬのはもう少し先だよな・・と思っていたら、屋敷のあちこちから呪詛の札が。伊周は院の件はともかく呪詛など絶対にしていないと涙ながらに道長に訴えるが・・。だとしたら誰が犯人?伊周や隆家を都から追い出すために詮子が仮病を使ったのかな。定子は内裏から実家へ。一条帝もつらいところだ。伊周は大宰府、隆家は出雲へ配流と決まる。定子は思い余って髪を切る。花山院の件が1月、伊周らの配流や定子の落飾が4~5月。この後これらの心労のためか母親貴子は10月に亡くなり、定子は12月に女の子を出産する。

光る君へ21旅立ち

定子の落飾はまわりに衝撃を与える。伊周は逃げ回っていたがとうとう・・。貴子は自分も一緒に行くからと・・でも許されず途中で引き離される。これでもかという感じで悲劇的に描かれるが、この後伊周は10月に密かに京へ舞い戻ったのを見つかる。前にも書いたが貴子は10月に死ぬから、そのせいかな。一条帝にとってもつらい日々が続く。調べてみたら帝は980年生まれ。だからこの頃はまだ16かそこら。あまりにも若い。一人になった定子は生きる気力も失せる。ききょうは心配で仕方がない。しかも定子は懐妊しているようだ。でもまわりには黙ってる。呪詛のおそれがあるからだ。まひろのアドバイスでききょうは「枕草子」を書き始める。定子を元気づけるためのものだから、悲しいことは書かない。今度のことで得をしたのは右大臣と話す宣孝。それを聞くまひろは心穏やかでない。あの道長がそんなことをするだろうか。一方利口な倫子には詮子呪詛事件は、伊周達を追い落とすための詮子の企みだとわかっている。兼家だって仮病を使ったではないか。でも道長は全然気づいていなくて、それを知って複雑な気持ちに。定子追い出しに成功したので、詮子は次は誰を入内させようかと思案する。さすがにまだ彰子のことは頭にない。為時とまひろは越前へ向けて出発するが、その前にまひろは道長に手紙を出し、例の屋敷で密会する。越前守任命のお礼もあるが、宣孝が言ったことが心に引っかかっている。道長は詮子の仕業などとは言わず自分のせいと潔いが、かえってそれでまひろは道長の潔白を確信する。それはいいけど、最後のチューは余計。さて、若狭には70人もの人が漂着している。彼らが本当に商人なのか、それとも戦人なのか為時は判断しなければならない。前途多難な感じ。

光る君へ22越前の出会い

宋人が漂着してかなりたつが、帰るための船はいつまでたっても作られずにいる。役人達はかなり腐敗しており、為時を金で懐柔しようとする。もちろん為時は突っぱねるが・・ここらへんは無理に作ったような流れで、見ていてもおもしろくない。周明(松下洸平氏)という薬師が新しく登場するが、どういう役回りなのか見当もつかない。無口で穏やかな感じなのは好感持てるが。まひろがああやってどこにでも顔を出しているのはヒロインだから仕方ないけど、ありえないよな~と思うばかり。式部が越前へ行ったのは宣孝からの求婚に悩んでというのもあるけど、大河ではそんな気配ゼロ。都では伊周が舞い戻ってきたけど、結局母親の死に目には会えずという、またしても気の毒なことに。道長は定子の出産が間近と知ってびっくり。しかしそう簡単に還俗させたり、帝に会わせたりということもできず、こちらも問題山積み。

光る君へ23雪の舞うころ

周明が日本語をしゃべったのでまひろはびっくり。実は彼は対馬の生まれで、海に捨てられたところを宋人に助けられたとか。その後は過酷な生活を強いられ、逃げ出して薬師に。彼が見つけてきた証人によって、通事殺しの濡れ衣を着せられそうになった朱は助かる。今回は役人達の置かれている立場も明らかにされる。こういう海に面した土地では外国からの脅威が常にある。都の連中はそっちのことはそっちで何とかしろと知らんぷり。そりゃそうだ。遠いところで起きていることより自分達の出世争いに忙しい。その後まひろは周明に宋語を習い、二人で過ごす時間も多く、為時が婿にする気はないかと尋ねるほど。この頃のまひろは20代後半で、婚期はとっくに過ぎている。都では定子が女皇子を出産。今回東宮の居貞親王が出てくる。後の三条天皇。生まれたのが女児と知って一安心。このまま一条帝に男児が生まれなければ、自分の子が・・と思っているようで。自分が天皇にとは思ってないようで。一条帝はまだ若く、当分続くから自分の出番はないと思っていのかな。でも晴明には一条帝に男の子ができると言われちゃった。さて、一条帝は定子が忘れられず、新しく入内した二人の女御にも興味示さない。こういう女性達も気の毒。一族の期待背負っているわけだし。でも帝が来てくれないのではどうしようもない。為時が巡察で留守の間に宣孝がひょっこり訪ねてくる。実際の式部は周明に宋語を習ってルンルンなんてのはありえなくて、越前の厳しい冬のせいでユーウツになって、京へ帰りたいとそればっか。「唐人見に行かむ」と男(たぶん宣孝)が言って寄こしたのは事実だが、本当に来てくれたのは大河だから。まあこうでもしないといつまでたっても宣孝とまひろの距離が縮まらない。為時がいないのは絶好のチャンスなのに、何もしないで帰る礼儀正しい(←?)宣孝。帰り際にプロポーズされたまひろはびっくり。今までこれっぽちも異性として意識していなかったからね。

光る君へ24忘れえぬ人

宣孝は京へ帰っていった。為時はまだ戻っておらず、周明のおかげで宋語は上達。一緒に宋へと言われたけど、彼は自分を利用しているだけだと気づいて拒否。前回周と朱の会話を聞いて多くの人は「ありゃりゃ~」と思ったはず。オリジナルキャラの扱いは難しい。それでなくても式部は宣孝と結婚するって決まってるのだから。今ここで周によろめいたらおかしなことになってしまう。突然妻になれと宣孝に言われた時は、驚きはしたもののそれほどいやでもなかった。どうせ道長とは一緒になれないんだし、自分ももう年だし、宋も自分が思っていたような国じゃないとわかったし。肥前へ下ったさわは亡くなってしまった。人生は短い。結婚して安定した生活を・・子供も欲しいし。一方京では詮子が病気に。今度は仮病じゃない。病気になると心細いようで、それでなくても伊周や隆家を陥れたという前科があるし。道長は今頃になって矢を射たのは伊周ではなく隆家で、しかも院を狙ったのではなく矢は車に当たったと知る。何ボケッとしてるのかね。大赦によって伊周らは許されることになり、そうなると詮子もホッとして気分もよくなる。一条帝は定子と娘に会って喜び、そこまではよかったが政をほっぽり出して定子のところへ通いつめる。公家の反発を恐れて道長は反対していたのだが。宋との交易にしても越前と大宰府では距離が違う。もし攻めてこられたら・・。今回印象に残ったのは隆家。いろいろ内にため込む伊周と違い、過ぎたことは忘れて前に進むタイプ。

光る君へ25決意

見ている者はもう周明の出番はないのかと思ったりするが、何も触れられず、まひろは京へ戻る。今回とうとう宣孝と結ばれるが、そこへ至るにはいくつかの、中にはわざとらしい出来事も。越前では何と乙丸が海女のきぬと一緒になり、二人で京へ。帰ってみればいとにいい人・・福丸ができている。いとは惟規の乳母だから結婚したことはあるはずだ。鈍い為時には好意持ってること気づいてもらえず、でも今頃になって明らかに年下の働き者をつかまえたようで。二組のカップルを見ていればまひろも人はこれが自然なのだと思えてくる。宣孝が道長に、為時の娘と結婚すると言ったため、まひろのところへ祝いの品が届く。でも添えられた手紙を見たら道長の字じゃない。それが決定打となってまひろは宣孝との結婚を決意する。それにしても宣孝はなぜ道長にあんなこと言ったのだろう。うれしさのあまり?それとも当てつけ?道長がまひろと一緒にいるところを宣孝が見かけたのはかなり前だが、顔を覚えていたのかな。一方一条帝は定子に溺れ、政をおろそかにする日々。晴明はこの先凶事が続くと不気味な予言。それを止めるいものを道長が持っているらしいが、道長には何のことやら。よいものって彰子のことかね。おりしも大雨で鴨川の堤が崩れ、大きな被害が出た。これも帝が決め事を先延ばしにしていたせい。伊周は定子に皇子でも生まれれば自分も再浮上できるのではと思っている。隆家は道長についた方が得と、先を見越している。道長は帝に左大臣をやめたいと直訴。彼を見る伊周の表情がビミョー。帝の目を政に向けさせるにはこれしかないと?それとも本当にやめたいのかな。史実だと道長は998年大病を患って出家したいと帝に奏上したが許してもらえなかったとある。こっちの道長は全然病気じゃないけどね。

光る君へ26いけにえの姫

大雨の次は大地震。悪い流れを変えるには彰子を入内させるしかないと晴明に言われ、驚く道長。倫子は大反対。それでなくても彰子は才気煥発な定子とは正反対のもっさりした性格。一条帝は退位して定子と二人で暮らしたいなどと寝ぼけたことを言っている。アンタそれって虫がよすぎですがな。あれこれあって帝は入内を許可(←?)。ちょうど定子は二人目を懐妊中。子供が生まれる頃に彰子の入内をぶつけよう・・となる。ただ、道長は赤ん坊や定子を呪詛なんてそんなことはしない。大河の主人公だもんね。一方宣孝と結婚したまひろだが、一緒になってみれば相手の欠点も目につくように。新しく若い女ができたと聞けば嫉妬心もわく。宣孝が式部のを他の女に見せたため、式部が怒るというのは事実。潔癖すぎるまひろを、いとがやんわりいさめる一幕も。