マッシブ・タレント

マッシブ・タレント

ニコラス・ケイジを見るのは久しぶり。彼には浪費癖があって、借金に苦しんでいたってのは知ってる。そのせいで作品選ばないとも。これはそれを逆手に取った痛快な作品らしい。冒頭いきなり「コン・エアー」のラスト部分。ハゲのロンゲとか言われてたけど、こういう表情されるとグッときちゃうんですわ。で、恋人とこれを見ていたマリアが誘拐される。一方俳優のニックは仕事が欲しい。次の仕事が自分にとって一番の仕事になるはず。離婚や浪費癖のせいで金に困っている。年頃の娘アディとはうまくいっていない。公私共に追いつめられていたある日、エージェントのフィンク(ニール・パトリック・ハリス)が持ってきたのは大富豪の誕生日パーティに出るだけで100万ドルという仕事。これが終わったら俳優をやめようとまで思いめて向かった先はスペインのマヨルカ島。招待主ハビ(ペドロ・パスカル)はニックの大ファンで、脚本送ったらしいがニックは見ていない。そのうち何とCIAのマーティンとヴィヴィアンが接触してくる。首相候補の娘マリアが誘拐され、犯人はハビと聞かされてもニックには信じられない。しかしマリアはアディと同じ年頃。殺されでもしたら一生夢見が悪い。仕方なくスパイまがいのことをやるはめに。途中、マリアが監禁されているのではという部屋があって、入ってみるとケイジグッズのコレクションルームだったりして、いい意味で脱力する。丁拳銃を構えるケイジそっくりの等身大人形があって、これは「フェイス/オフ」か。またハビは「パディントン2」を見て善人になろうと決意したとか、どう見ても悪党には思えない。家族関係に悩むニックのために元妻のオリヴィアやアディを呼び寄せたりする。見ている人はどうか彼が犯人ではありませんようにと願う。結局誘拐犯はハビのいとこルカスだった。まあいろいろあるのだが、「コン・エアー」や「不機嫌なバラ」など若い頃のケイジが見られるのがうれしい。またニックだけに見える幻影ニッキーは「ワイルド・アット・ハート」や「レッドロック/裏切りの銃弾」の頃のケイジ。この経験をもとにした映画は大好評。これでまた俳優としてやっていけるだろうが、今までと違うのは家族を大事にすること。パスカルはスティーヴ・ザーン風味。デミ・ムーアがちょこっと。欲を言えば死者は最小限にして欲しかったかな。