ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-

ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-

これは原作があるらしい。大地という少年が父が殺されたと110番通報してくる。それがきっかけで、回復する見込みのない病人を安楽死させている医師と看護師の存在が明らかになる。本人や家族闇サイトを通じて安楽死を依頼。看護師が塩化カリウムを注射し、医師は病人の死を撮影する。死因は心不全ということで、疑われることもなく、火葬にされるから証拠も残らない。大地の父だって危うく火葬にされるところだった。当然のことだが、遺族は捜査協力をいやがる。あれでよかったのだという気持ちと、後悔の念に苦しめられ続けている。主人公は犬養(綾野剛氏)と高千穂(北川景子さん)の刑事コンビ。重苦しい題材なので、二人のコミカルなやり取りがわざとらしくはさまれたりする。犬養は妻をなくし、11歳の娘沙耶香は腎不全で病院暮らし。アパートに帰ればゴミだらけ。それに比べ高千穂の方は私生活は描写されない。クライマックスでは沙耶香が拉致され、安楽死の邪魔をした犬養も大ピンチになるなど彼の方に比重がかかっている。それでいて私にはこの映画の主人公は高千穂なのではと時々思えてくる。たぶん彼女の方が捜査に徹しているからだろう。犬養はやることなすこと粗暴で雑で・・綾野氏の顔がうつる度、石鹸で顔を洗ってください!と思う。ギトギトテカテカ。途中で雛森めぐみという元看護師が浮かび上がるが、見てる人全員”稲森いずみ”という単語が頭に浮かんだことだろう。実は私めぐみを演じているのが木村佳乃さんだということは、カウンセラーとして出てくるまで気づかなかった。逆に医師の似顔絵がうつった時には、見てる人全員そうだったと思うがこんなにわかりやすくていいの?と呆れた。寺町(柄本明氏)と犬養の追っかけっこなんて笑うに笑えない。何でここだけコメディーになるの?しかし実はめぐみの方が・・となって、このどんでん返しには普通に驚いた。いつ出てくるのかなと思っていた木村さんがすでに出ていたことにも驚いた。ナース姿の木村さんが犬養を殺そうとするところは、さぞ男性陣には目の保養になったことだろう。めぐみがただの快楽殺人鬼で終わってしまったのは残念。