シン・ウルトラマン

シン・ウルトラマン

冒頭ゴメスだのマンモスフラワーだのぺギラだの懐かしいのがドドッと出てくる。えッ、通り過ぎちゃうの?みんな主役を張れるキャラなのに何てもったいない。マンモスフラワーなんて魅力的だと思うよ。「ウルトラQ」は白黒作品だったらしいけど、色鮮やかで(たぶん)妖しい(たぶん)巨大な花はカラーだとさぞ映えることだろう。で、これらの怪獣・・じゃない、禍威獣(何でこんな言い方するねん)は科特隊・・じゃない、禍特対(だからぁ何でわざわざこんな言い方するねん)によって退治されてきたが、今度のネロンガは電力を食って排泄・・じゃない、放出するという厄介なやつ。食べられないよう電気を切ると、怒ってますます暴れるし。防災庁の禍特対専従班は田村(西島秀俊氏)を班長とし、船縁、滝、神永(斎藤工氏)がいるが、そこへ浅見(長澤まさみさん)が加わる。最初顔を見せないなどいわくありげなうつし方をされるが、何の意味もなし。途中神永は逃げ遅れた少年がいるのに気づき、外へ飛び出す。ところが銀色の巨人出現の衝撃に巻き込まれ・・。二回目見たら飛んできたものが頭に当たっていたな。即死だろう。うん十年ぶりに見るウルトラマンはスマートと言うかスリムと言うかやせてると言うか。いや、ウルトラマンシリーズは「タロウ」や「エース」の頃までは見ていたんだけどそれ以後は卒業しちゃって。そう言えば「帰ってきたウルトラマン」の団時朗氏は亡くなっちゃったのね。私はこのシリーズが一番好きだったんだけど。ところで今回のウルトラマンはシュワッチとかダッとか言わないのね。戦う時もずっと無言のまま。何でかな。別の世界・・光の星から来ていて、たぶん彼らはテレパシーで意思疎通をするのだろうから、しゃべらなくても不思議じゃないんだけどね。しゃべりと言えば冒頭から説明の字幕とか出演者のセリフとか速すぎてついていけん。これじゃ「シン・ゴジラ」と同じ・・とちょっといやな予感。で、ウルトラマンが出現して禍威獣と戦って、まああれこれあるわけだけど、私キアヌの出ていた「地球が静止する日」のゴートのこと思い浮かべていたんですの。旧作のようなゴム感ありありのゴートとは違う巨大なのが現われた時のワクワク感と言ったら!ところが!その姿のままでは何もせず、細かいのになってしまうんですよ。

シン・ウルトラマン2

期待があっという間に失望に。あれは忘れられない。あれじゃゴート出してきた意味ないじゃん!そこへいくと日本の特撮物は違う。期待を裏切りません。巨大なままで動いてくれる。ありがとう!こういうのを待っていたのよ。さて、一件落着したけど神永は気絶していたので報告書には何も書けない。実際は少年助けようとして命落として、動き回っている神永とは別に死体が現場に横たわっているのだけれど。ありえな~い、とか、きもちわる~いとか言っちゃいけません。そこがいいのです!その次の禍威獣はガボラ。顔だけ見ると張りぼてチック(←造語)でアレなんだけど、禍威獣のいいところは強力な武器となる巨大な尻尾を持っていること。ゴジラもそうだったけど尻尾による破壊は迫力がある。お互い光線を出し合うことが多いけど、何でいつも向かい合っているのかしら。後ろに回って光線浴びせるなんて卑怯なことは禁止されているのかしら。禍威獣を倒すとウルトラマンは死骸を運び去る。後始末大変だから、人間にとってはありがたいことで。たぶん宇宙のどこかにリサイクル工場があるのだろう。それにしても何で日本にばかり現われるのかしら。さて、神永は元々謎めいたところのある男だが、以来ちょくちょく姿を消すようになった。図書室か何かで座り込んで本を読みふけっているシーンが出てくるが、どうせならまわりに本を積み上げておくとかすれば雰囲気出たのに。それとも出したものは必ず元に戻してから次のを出す几帳面な性格なのか。彼の中には神永とウルトラマンが同居していて、ウルトラマンの方は地球のこと人類のこと学びたいはずで。スマホやパソコンじゃなく、本というのが私にはツボでした。ウルトラマンになる前のデスクも本が山積み。ツボと言えば滝のデスクにはサンダーバードの模型置いてあったなウヒヒ。もう一つはエンタープライズ号?あっそう(無関心)。神永が姿消してても田村も他のメンバーもあまり気にしてないが、元々あちこちから出向してきた寄せ集めだからか。そのうちザラブという外星人が現われる。ウルトラマンと言えばバルタン星人で、そっちの登場期待してしまうが、手がハサミじゃいろいろ不便だから見送られたのかな。他にメフィラス(山本耕史氏)が出てくる。

シン・ウルトラマン3

どちらもうさんくさいが、日本の政治家連中は・・何だろうね、主体性がないと言うか。不思議なことにこういう時反対してくれる野党らしき人々は出てきたためしがない。メフィラスはザラブやウルトラマンより前から地球にいる。ちょっと変わっていて、力任せに単純にではなく、もっと商売人風に動く。だから引き合わないと見ると途中であっさり手を引くなど他の外星人とは一味違う。途中で浅見を巨大化させるが、いやホントここだけは見たくなかった。だってスカートですぜ、ハイヒールですぜ!ヒールは禍威獣の尻尾並みの威力ありそう(脱げなきゃだけど)。さて、人類は全く気がついていないけど星間連絡船・・じゃない、星間連合がすでにあって、いろんなルールが決められている。光の星から来たゾーフィ・・何でゾフィーじゃいけないの?・・は監視者であり、裁定者でもある。彼の目から見るとウルトラマンの行動は明らかに行き過ぎ。120億という人類の数は、悪い者の手にかかれば強大な兵器となり得る。こういうとらえ方は何だか新鮮。今までは人類の多さは豊かな食料源とか、そっちの方だったから。また人類は数が多い上に操りやすい。だから今のうちに恒星系ごとせん滅する。いや~これまた「地球が静止する日」と同じじゃん。と言うか、それ以上。でも人間は自分を犠牲にしてまで他の者を助けることができる。神永のように。あっさり滅ぼしてしまっていいのか。今度は舞台は宇宙へ。最終兵器ゼットンの登場だ。ゼットン~、ゼットン~と、宇宙空間で誰も聞いてないし、声を出しても聞こえないと思うが律儀に名前を連呼。で、ああなってこうなってウルトラマンは異次元に飛ばされそうになるけど、飛ばされたんでは話にならないから見てる人誰も心配しない。ところで「シン・ウルトラマン」の続編は作られるのかしら。「シン・ゴジラ」もあれっきりだしなあ。それこそ「帰ってきたシン・ウルトラマン」期待してます!神永本人の正体も不明だし、これから禍威獣は次々に目を覚ますし、人間の兵器としての価値は全宇宙に知れ渡っちゃったし。斎藤氏ははまり役。ほっそりしていて無表情で謎めいていて。神永とウルトラマンは分離されちゃったけど(こら、ゾーフィ、余計なことするな!)またいつでも合体できますって!!山本氏もすごくよかった。エンドクレジットの曲もよかった。歌詞聞き取れんけど。