クリーン ある殺し屋の献身

クリーン ある殺し屋の献身

クリーン(エイドリアン・ブロディ)はゴミの収集員。仕事は夜間で、朝に戻る。暗い過去があるらしいが、元依存症のミーティングに出ても、自分は何も話さず聞いているだけ。ゴミの中からめぼしいものを見つけると修理したりして質屋へ持っていき、買い取ってもらう。近所の空き家にペンキを塗ったり板を貼ったりして修繕する。ディアンダという少女に親切にする。魚を扱っているマイケルは、裏で麻薬を扱っている。人員削減で回るコースが増えたクリーンは怪しい動きに気がつくが、関わりを持つのは避ける。マイケルの息子マイキーは出所したばかりだが、すぐまたワルの仲間に。マイケルは自分の仕事を継がせたいようだが、マイキーの方は父親のやり方にはついていけない。麻薬の量をごまかそうとした取引相手をたたき殺すなど残酷すぎる。あれこれあってクリーンはディアンダを救うため悪ガキどもをぶちのめして回るが、その中にマイキーもいて、顔に大ケガを負う。しかし父親は顔の再建手術を断る。報復としてディアンダと祖母を殺そうとする。警察もグルなので助けにはならないし、逃げてもそのうち見つかる。と言うわけでクリーンは一人でマイケル一味に立ち向かう決心をする。まあよくあるストーリー。クリーンは以前死神と呼ばれたすご腕の殺し屋。溺愛していた娘の死をきっかけに足を洗い、今の生活に。面影の似たディアンダをかわいがり、眠れば悪夢を見る。彼の後悔や苦悩はすべて娘絡みで、仕事で殺した相手のことは全然悔いていない。ブロディは製作や脚本、音楽を担当。そのせいか自分をいかにカッコよく見せるか、いかに印象深く見せるかに腐心しているようで、見ていて苦笑してしまう。クライマックスの激闘シーンは暗いのと細切れなせいで何が何やらわからない。でも大方の予想通り、マイケルにとどめを刺したのはマイキー。ナレーションとか回想とか説明しぎのクリーンの苦悩より、マイキーの苦悩の方がインパクト大だったのはおあいにく様。ラストは収集車に乗っていたのがクリーンではないことをはっきり見せた方がよかったと思う。いかにもクリーンは無事でまた元のような日々が・・という感じにしてあったけど、元に戻ってしまったのでは前進がない。ディアンダの表情が驚きから落胆へ・・それが納得の表情へ変わるというふうにして欲しかった。