アンツ・パニック 巨大蟻襲来

アンツ・パニック 巨大蟻襲来

テレビ欄を見て、やっと「キラー・アンツ」を見られると大喜びした私は、画面にうつった”2017年”に「はら?別の映画?」と、喜びが一瞬でしぼんでしまいましたとさ。アンツはアンツでも別の映画。ネットで調べたら「アンツ・パニック」という映画もあるらしい。でもまあとにかくいちおう見ることにした。砂漠に何やら落ちてくる。そして67年後。何やら戦っていて、人間側が不利。その後二人が洞窟へ入って・・。画面が暗いので何が何やら。ここはニューメキシコか。主人公はブライアンとルーカスのコンビ。性格も容姿も対照的な二人。ルーカスはバイクのレースで優勝したらしい。乗る方は得意だけど、メカはさっぱり。ブライアンにお任せだ。片方はハンサムだが頭が悪く、開けっぴろげな性格。もう片方は頭はいいが、さえない見かけのオタク。ブライアンは映画のヒーロー”必殺マン”に憧れ、美人で頭もいいリサのことずっと思ってる。でも彼女はこんな僕よりルーカスの方が好きに決まってる。たぶん彼らは高校生だろうが、祝勝パーティではビールや、ウオッカを使った妙な飲料も。まあとにかく頭空っぽでノーテンキな連中のバカ騒ぎを延々と見せられる。彼らは映画をいろいろ見ている。「ジュラシック・パーク」や「エイリアン」、「バタリアン」。何かあっても映画みたいに思える。映画みたいに特殊な兵器があって、事態を打開できるはず。映画でなければテレビゲームだ。怪物をやっつけるのもゲーム感覚。さて、偶然見つけたほら穴に、興味を持ったルーカスが入ってしまう。何やら施設があって、シケイン産業とある。いろいろ手広くやっていて、軍事請負産業でもある。ブライアンは止めるけど、ルーカスは聞かない。たぶん酔っぱらっているせいもあるのだろう。ちなみにブライアンの方は映画が終わるまで一滴も飲んでない。施設の中は冒頭戦闘が行なわれていた場所だ。キッチンやら蜘蛛の巣だらけの部屋やらいろいろあるが、もういいだろうとなってやっと引き返す。そこで巨大な蟻を見て腰を抜かす。ピンチ救ったのは、いなくなった二人を心配してパーティを抜け出し、捜しに来たリサ。蟻をやっつけてしまう。ある部屋でレナード博士のビデオを見る。あとでレナード本人も出てきて説明があるが、冒頭の隕石にあったエイリアンの遺伝子を、ヒアリや蜘蛛のと組み合わせ・・みたいな。

アンツ・パニック 巨大蟻襲来2

見てる人全員生物兵器・・と思うが、レナードは人類のためみたいなこと言ってたな。蜘蛛の巣の持つクッション性とか。蟻は当然巣を作り、女王蟻が産卵を始める。ただ、エタノールがないと繁殖できないようになっていて、砂漠だからそんなのあるはずないが、ビールパーティのためどっさりアルコールが持ち込まれ・・。会場は蟻に襲われ無人状態。途中リサがさらわれ、彼女を助けるのが先か、通報するのが先かとなる。巨大蟻の集団はまもなく町を襲うだろう。見つけたリサは繭のようなものにくるまれ、特殊な道具がないと助け出せない。そばには卵があって、人間は幼虫の生餌となるのだ。「エイリアン」みたいにもう卵が体内に産みつけられて・・じゃ手遅れだけど、ホラー映画、パニック映画であると同時に青春映画でもあるから、そんな心配はなし。途中レナードが蟻に殺されるけど、この蟻は他のと形が違うから女王蟻か。CGは可もなく不可もなくと言ったところ。前にも書いたようにどんな状態に陥っても、彼らには映画みたい、ゲームみたい感があって、深刻感がない。したがって見ていても残酷さや怖さが全く感じられない。顔にギ酸(たぶん)を浴びた女性がいたが、それ以外の連中はリサと同じで生きたままつかまっていたようだ。ルーカスが特殊なカッター使って助け出していたから、最終的には犠牲者はあまりいなかったのではないか。実はリサは前からブライアンが好きだったとか、さえない彼が一皮むけて自信持つようになるとか、お約束の流れ。退治したはずだけどまだもっと優秀なのがいて・・というラストもお約束。探検の時引き返したけど、その先には・・。ネットで知ったが、これはPCゲームの実写化なのだそうな。エンドクレジットで妙なゲームが延々流れるけど、これがそうなのか。ブライアン役はハリー・リスター・スミス。1988年生まれらしいから30近くで高校生役?とは言えこんなバカ映画でも見続けることができたのは、彼のおかげでもある。どことなく人を引きつけるものがある。彼を始め知らない人ばっかだが、レナード役マーク・アーノルドだけはどこかで見たような。・・と言うわけで、蟻だけに”何でもアリ”の映画でした。”こんなのアリ?”映画でもある。