フェイブルマンズ

フェイブルマンズ

2時間半くらいあって、普通ならこんなの見ないんだけどポール・ダノが出ているからネ。コンピューター関係の仕事している父バート(ダノ)と、ピアニストだったらしい母ミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)の長男サミーは、生まれて初めて見た映画「史上最大のショウ」にすっかり魅せられてしまう。特に列車の衝突シーン。サミーは母親の芸術家気質を受け継いでいて、その後は映画作りに熱中する。少し成長すると友人達を巻き込んでさらに本格的に。でも・・すみませんこの頃になると少々うんざりしてくる。でもダノ君が出ているからがまんして見よう。主人公はサミーのはずだが、前面に出ているのはミッツィ。母親をなくした時はノイローゼっぽくなるほど落ち込むなど感情の起伏が激しい。キャンプに行った時のフィルムを編集していたサミーは、母親とベニー(セス・ローゲン)の親密な様子がうつり込んでいたので驚く。ベニーはバートの友人で部下。家族の一員みたいな仲。バートは全く気づいていない。その時のミッツィは母親として生きることを選んだが、一家がベニーと離れてカリフォルニアに移ると、がまんの限界に。心の平安を得るには離婚するしかなくなる。カリフォルニアに移ってからのサミーはいじめにあうなどこれまたつらい思いをする。その一方でガールフレンドができたり。卒業して大学に入ったけど、パニック発作を起こすほど精神的にはユーウツ。堅実な道を歩んで欲しいと思っていたバートも、こりゃ希望する道を歩ませた方がいいかも・・と気づく。もっとも映画の道を志したとしてもそんなものすぐうまくいくわけじゃない。あちこち売り込んでやっとCBSから反応がある。映画は無理でもまずはテレビから。ラストではかの有名な監督ジョン・フォード(デヴィッド・リンチ)に数分だが会うことができる。で、終わり。それにしてもダノ君もこんなお父さん役やるようになったんだ・・。屈折した怒れる若者役が多かったけど。三人の娘はミッツィと暮らし、サミーが大学の寮だとするとバートは一人暮らしか。もう中年に差しかかり、孤独な日々をたんたんと過ごす。映画そのものは「ひとんちのホームビデオ見てて何がおもしろいの?」という感想に私も同感だけど、ダノ君だけはホントよかったです。