ドント・サレンダー 

ブルース・ウィリス ドント・サレンダー 進撃の要塞(2021)

インベスピアのCEO、ポールがやって来たのは高齢者施設。ここに父のロバートがいるのだ。妻の死後なぜか姿を消していたけど、何とか居どころを突き止めた。実は彼の会社は今ピンチで、要するに金の無心に来たのだ。ここの責任者で、案内をしてくれたケイトは感じがいいけど、高齢者施設にしては警備が厳重で妙な感じも。ところが突然警戒警報が鳴り、ロバートはサイレンサーを撃ちまくり、こりゃいったいどーゆーこと?ポールが連れてこられたのは地下にあるフォートレス。元は軍の秘密基地。ここは実は元工作員のための隠居施設。ロバートも元CIAだった。数年前、バルザリーという男の組織に潜入し、6億ドルを奪った。つまり侵入者達の標的はロバート。目的は金の奪還。ポールは知らなかったけど、彼を金銭的ピンチに追い込み、ロバートを頼ってここへ来るよう仕向けたのもバルザリー。ロバート役はブルース・ウィリス。昔ならすぐ涙目になって、愚痴やら泣き言を並べていたが、近年はそんなうるおいもなくなったようで、汗も涙もなし。ややからびた印象。肉弾戦もなし。弾もよけてくれるらしく、ケガもしない。元工作員にここまでよくしてくれるとは思えず、むしろ彼らはヤバい秘密も知っているから、一ヶ所に集めて監視しとけという方が現実味がある。指令室は女ばかりで、他の警備も厳重に見えて実はゆるい。侵入者の方も勝手な行動取って即始末されるのもいるし、何だか見ていても締まりがない。たった一つよかったのは、ロバートの居どころ聞かれたオバサンが、銃突きつけられてもガンとして答えなかったこと。ずいぶん気の強い女性だなあと思ったが、後でここに入っているのは元工作員達とわかって合点がいった。彼女があの後どうなったのかは不明。元工作員達という設定ならいくらでもおもしろくできそうだが、そういうの全然なし。ポールが侵入者と格闘するなど、一般人なのに何で?と不思議。子供の頃ロバートに鍛えられたわけでもなさそうなのに。ラストは死んだかと思えたバルザリーが、実は防弾チョッキ着ていて生きていたと・・続編への意欲見え見え。いや、チョッキ着てるかどうかロバートにわかるでしょう?撃たれたのに血が出ないのおかしいと思うでしょう?バルザリー役チャド・マイケル・マーレイは「人形の館」に出ていたらしい。ポール役はジェシー・メトカーフ。

ドント・サレンダー スナイパーズ・アイ(2022)

続編なのでいろんなものが使い回されている。前回の襲撃から二週間後、ロシアに現われたロバート。バルザリーに頼まれていた、妻サーシャを救出するが肩を負傷。その二週間後フォートレスで療養中。サーシャもいるが、とらわれ、拷問されていたためその後遺症に悩んでいる。フォートレスは閉鎖するので片づけの最中だが、その中でもポールとケイトの仲は順調。ケンはサンドラにプロポーズ・・と、まあ命の危険がなくなると人間やることは決まってて。そこへケイトの母キャロルと妹ゾーイが来る。ところがバルザリーがまたまた金を狙って現われる。前作もパッとしなかったウィリスだが、今回はさらに・・。ロバートとポールが病室で会話するところは、どう見たって別撮り。二人一緒にはうつらない。アクションも別の人がやってる(当然だけど)。アクションと言えばカメラは大揺れ、かと思うとぐるぐる回る。バルザリーの部下は金で雇われた連中だから中には大はずれのノータリンもいる。ボスのバルザリーからして金、金、金とそればっか。6億が3億に減っていると腹を立てるが、この時点で3億持ってロバート達始末してさっさとトンズラすることもできた。でもそうならない。もっと金が欲しい、もっとロバートを苦しめて復讐しなきゃ気がすまない。そのうちサーシャも夫にアイソをつかす。ロシアでひどい目にあったのだって元はと言えばバルザリーの借金のせい。もうウンザリよ!たいていの映画ならサーシャはバルザリーに殺されるけど、生き残ったな。死ななくてもすんだのに逃げようとしてあっさり殺されたサンドラとは対照的。たぶん見ている人はロバートとキャロルの間に・・年も近いしお互い連れ合いもいないし・・と思っただろうけど、何もなし。どことなくすねた感じのゾーイは何の問題抱えていたのだろう。銃で人を殺すはめになったけど・・。傷心のケンがサーシャかゾーイとくっつくのもアリだと思うけど、それもなかったな。逃げたりつかまったりのくり返しがダラダラ続くだけ。ゾーイ役の人はなかなかの美人。マイケル・シロウは「サバイバル・シティ」や「アウト・オブ・デス」でもウィリスと共演していた。戦場で修羅場をくぐり抜けてきただけあっていざという時頼もしい。ところで題名にある”スナイパー”って?