名護市の概要

名護市の位置と面積

日本列島は、ユーラシア大陸の東側に弧状をなして連なっている。その南部に南西諸島(琉球列島・琉球弧)が位置し、さらにその南半分が沖縄県の区域である。沖縄県の数理的な位置(地球上の絶対位置)は、もっとも東が北大東島(東経131°21′)、西は与那国島(東経122°56′、南は波照間島(北緯24°02′)、北は硫黄鳥島(北緯27°40′)の範囲である(沖縄大百科事典)。名護市の同位置は東経127°59′、北緯26°35′である。

日本で最も南(低緯度)に位置し、そして大陸の東方海上に連なる島々からなる沖縄は、温帯の南部、熱帯の北部、つまり亜熱帯の海洋性モンスーン気候の風土・気候条件を備えている。

上の図は、私たちが住む名護市を中心に置いて、ちェうど魚の眼からまわりを見て表現した距離図である。これを見ると、北九州と中国の上海や台湾の台北は同じ距離圏に入り、東京はフィリピンのマニラ、韓国のソウルと同じ圏内にあたり、香港は東京よりも近く、大阪と同じ距離にあることが分かる。

沖縄県の面積は2,249.91k㎡(全国第44位)であるが、名護(210.73k㎡)はその9.4%を占め、県内では西表島を含む竹富町(329.16k㎡)に次いで広大な面積を有している。

210.73k㎡の市域の地目の内訳は、その53.4%が山林で、耕地(田畑)は13.6%を占めている。また、雑種地は11.1%、原野は9.5%、そして宅地は2.9%という構成になっている。

名護市は昭和45年に名護・屋部・羽地・屋我地・久志の5町村が合併して誕生した。以前の旧町村は、現在「地区」と通称している。地区別の面積を見ると(地区別面積グラフ参照)、久志地区が最大で77.19k㎡(市域の36.6%)を占め、次いで羽地地区56.92k㎡(27.0%)、名護地区45.83k㎡(21.8%)、屋部地区23.06k㎡(10.9%)、屋我地地区7.73k㎡(3.7%)の順となっている。

各地区は、さらに行政区(字・部落とも通称する)からなっている。この全体で55の行政区が、名護市における地域社会の具体的な単位である。各行政区の位置・範囲とその面積を図と表で示した。行政区の面積は、最大の源河区が22.09k㎡、最小の城区は僅かに0.09k㎡という開きがある。源河区は、屋我地地区全体に比べても3倍近い広さを有している。久志地区は、多くは山林であるが、名護市では一般的に行政区の面積が大きい地区である。