安和のウシーデーク

安和のウシデーク(無形民俗文財 未指定)

毎年旧暦9月16日、夕暮れ時より「アサギミャヌアクタ、タガシニクナスガ、ワシタミヤラビヌ、シニクナスサ」(アサギ庭の雑草は、だれがふみつけたであろうか、安和の女童たちがふみつけたのです)で始まるウシデークは、安和唯一の伝統芸能である。

安和のウシデークはいつ始まったか定かでないが、現在の広場で催されてから約三百年ぐらいになろう。部落移動以前は「クバの御嶽」で催されたと思われるが、それを加算すると約四~五百年にもなるのではないか。

ウシデークは、始祖神への豊年希求と感謝、家内安全、子孫繁昌、村の発展を祈願し、女性が主体となって運営する伝統行事である。服装は、一部の人々は朝鮮風なハームイを着る(ハームイとは、絣の上衣をドギヌといい、七ひだの白いスカート風なものを力カンという。神屋に保管している)。その他の者は主として藍染絣りの琉装である。

当日は神屋において御願踊りを一節奉納してから,アサギ庭に集まり,紅白二組に分かれ、白組よりアサギ庭に入場する。地謡は小太鼓で調子を取りながら、紅白交互に謡う。踊り手は、拝手、押手、払手、捧手を組み合わせ左回りで円陣を作り、進んだり、止まったりするテンポの遅い踊りである。節数は15節60首、所要時間は約2時間である。

出典:「名護市の文化財第2集」