高良大主前

高良大主前(天仁屋の伝説・昔話)

天仁屋門口屋の先祖に高良大主前と呼ばれる大力者がいた。大主前はウッカ川から、幅二尺.厚さ五寸・長さ五尺余りある数百斤の平石を一人で担いできて、自分の家の前に置き、トゥナミ石(踏み石)にしたそうだ。

また、大主前が与那原に行った時、そこですもうをやっていた。見ると強そうな力士の前に、みんな出るのを渋っていた。大主前は人選に回っている人に見つかり、引っ張り出されたが、大主前には帯がなかった。近くに川竹の束があったので、大主前はその中の一本を抜き、ねじり割って竹縄を作ってそれを帯にした。それを見た力士たちはびっくりして誰一人出る者はなかったという。(久志村誌より)

出典:「わがまちわがむら