汀間のウェーキパーパー

汀間の伝説・昔話

汀間のウェーキパーパー

うちは見ていないが、その話は聞いているよ。

朝、芋を洗いに、芋をざるに入れて、港にいくんだよ。

水も水道も何もないから、朝港に行ったら、四角い箱が流れてきよったと。

「これ何かね」と、流れてきた箱を開けて見たらお金がいっぱい入っていた。

それで、もう驚いて、これを家にもっていって、それからは、ウェーキ〈金持ち〉になった。

いまでも、ウェーキではあるよ。

汀間の人が、大きい家つくって、という名前をつけているが、屋号も瓦屋というよ。

姓は仲里だが、前は、瓦屋といっていた。

いまでもいうよ。

そのお金を拾った人は、後からはウェーキパーパーと呼ばれるようになった。

(名護市史叢書・10『久志の民話』より 仲本栄子(汀間))