尚円王と汀間
汀間の伝説・昔話
尚円王と汀間
尚円王の親は戦の時、尚円王を箱に入れて海に流した。
箱は伊平屋に流れ者き、漁師に拾われた。
尚円はその漁師に大切に育てられ名は金丸と名付けられた。
ある年、大旱魃があり村中の田は全部干上がってしまったが、この金丸の田だけは水がいっぱいしていた。
水を盗んでいると村人から誤解を受けた金丸は、舟で国頭の宜名真に渡りそこで暮らした。
しかし、村人に追われ、奥間に移ったがそこでも同じように誤解を受け、奥間鍛冶屋の計らいで与那覇岳山中に身を隠した。
やがて、そこを離れ久志間切の汀間を通った時、泉で水を汲むきれいな娘を見た。
金丸はその娘に惚れて、その娘といっしょに暮らすようになり、一男一女をもうけた。
金丸が尚円王として王位についた時、金丸の娘は汀間のノロとなったそうだ。
(久志村誌より)