数久田ウェーキと牛盗人

昔、数久田ウェーキのおじいは猪狩りをしていた。ある日、犬を5匹連れて猪狩りに山に入ったが、その日に限って猪に会わず、奥へ奥へと行くうちに道に迷ってしまい、谷底に出た。そこでは牛盗人たちが牛をつぶして食べていた。おじいも食べるように勧められたが、口にしなかった。食べ終ると、盗人たちが手に手に棒を持ったので、おじいは犬に命じて盗人たちを退治させた。これからは泥棒をしないことを誓わせて許してやった。その後、牛盗人たちは立派に働くようになった

という。

数久田ウェーキは、そのおじいが立派な人だったので栄えたそうだ。

(昭和56年民話調査より)