真喜屋のサガリバナ

真喜屋のサガリバナ

種別:天然記念物

指定年月日:平成10年2月20日

所在地:真喜屋

真喜屋のサガリバナは、真喜屋の集落内を流れる小川のふちに生育し、地元では「モ-カバナ」として親しまれています。樹木の大きさはわが国で最大のものと思われ、夏、花の時期には夜の星空の元、豪華な花を咲かせます。樹高6m、胸高直径64cm、推定樹齢は150年です。

サガリバナ(Barringtonia rasemosa Spreng.)はサガリバナ科の常緑小高木で、アフリカ東岸部から東南アジア太平洋地域に至る広い範囲に分布し、北限は日本の奄美大島です。ふつうは海岸近くのじめじめしたところや、マングローブの生えている後ろの方、また内陸の川沿いの湿地に生育していて、しばしば群生します。葉は長さ20~39㎝の長楕円形~長倒卵形で、枝先にかたまってつきます。小さい枝は太く、葉痕(葉の落ちたあと)がはっきりわかります。6月から7月頃、葉の間から長さ50~70cmの総状または穂状の花序をたらして、たくさんの花をつけます。サガリバナの和名はこれからつきました。またサワフジという名はフジの花のようにされ下がり香りがするのでつけられました。花は直径3cmで、白から赤に変わり、多数の雄しべがあります。果実は長さ4cm~7cmのやや角張った長楕円形で、軽い繊維質の外皮を持ち、水に浮いて運ばれて繁殖します。果実や樹皮にはサポニンというアルカロイドがあり、これをくだいて川に流し魚を捕ったといいます。