名護・やんばるの沖縄戦 名護市史本編・3

名護・やんばるの沖縄戦 名護市史本編・3

目次

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凡例

第1部

序章 戦争への道

はじめに

1.政治がつくりだした中心・周辺・辺境・異境

2.異域人の国民化

3.地域の再編と解体 ー高まる国家依存ー

4.祭りと国民

5.「非国民]の遺言

第1章 「国民」形成と学校

1.沖縄における学校設立の背景

・沖縄事情と政府の教育政策

・会話伝習所と『沖縄對話』

・各地に拡がる小学校

・沖縄で皇民化教育を推進した政府要人

・御真影と教育勅語による臣民化

2.戦争と学校

・学校設置の拡がりと徴兵制の定着

・「徴兵制」にともなう学校の役割

・日露戦争と学校

3.「国民」化と学校

・戊申詔書と地方改良運動

・地方改良運動と標準語励行

・断髪式と学校

・服装の変遷と学校

第2章 地域の組織化と再編

1.拝所(御嶽)、神社仏閣、権現の造営

・『沖縄縣國頭郡志』のとらえた宗教

・「文明的宗教」

・ジンジャ・オミヤ

・鳥居の設置

2.組織化される社会 ー大政翼賛会の時代へー

・農事改良と労力調整

・防災から国防へ

・婦人の活動

・町村の下部組織

・部落会・町内会、隣保班の目的と活動

・大政翼賛体制のなかで

・県知事の見た国頭郡

3.国家行事と国家イデオロギーの高揚

・コメモレイションとナショナリズム

第3章 戦争記念碑は語る

1.戦死者の公葬

・北部地域の公葬のはじまり

・公葬の階層化

・地域の公葬の主体

・町村葬の時間と場所

2.招魂堂(祭)、忠魂碑

・招魂祭について

・国頭郡の招魂祭

・国頭郡招魂堂

・間切・村レベルの招魂祭

・羽地・大宜味の忠魂碑

・北部地域のその他の忠魂碑

・碑表建設の制限

3.墓標

・兵士墓の建造

・久志村での兵士墓建造

・墓標の設置

第4章 オピニオンリーダーとしての沖縄のマス・メディア

はじめに

1.新聞

2.地域のリーダーの役割

3.草の根の軍国主義のゆくえ

第2部 戦場の記録

序章 名護・やんばるの沖縄戦

はじめに

1.なぜ沖縄が戦場になったのか

・日米両軍にとっての沖縄の位置

・日本軍の沖縄戦準備

2.沖縄戦の経過と特徴

3.名護・やんばるの沖縄戦

・名護・やんばるでの日本軍の準備と態勢

・名護・やんばるの戦闘の経過

4.やんばるの沖縄戦をめぐる論点

・国頭支隊(宇土部隊)の任務

・国頭支隊と宇土大佐への評価

・護郷隊の評価

・防衛招集をめぐって

5.米軍にとっての名護・やんばる

・米軍による住民に対する残虐行為

・基地計画

第1章 戦争準備にかりだされた人々 ~全ては戦争のために~

1.日本軍配備と沖縄全土戦争態勢

・第32軍編成の変遷

・独立混成旅団の沖縄移駐と北部戦線の位置づけ

・沖縄方面陸軍航空基地の設定着手

・飛行場建設工事と徴用

・伊江島飛行場を造った人々

2.徴用された人と物 ~全ては戦争のために~

・「国家総動員法」と陣地構築

・日本軍と食料供出

・名護・やんばると少年農兵隊

3.十・十空襲とやんばる疎開

・沖縄島をおそった十・十空襲

・名護市と十・十空襲

・十・十空襲と避難民

・やんばる疎開の背景

・避難民の受け入れ

・避難民と食料

・あとがき

第2章 国頭支隊と北部住民 ー戦場の記録1ー

1.国頭支隊の沖縄戦

・満身創痍の部隊

・要塞化を図った本部半島

・海軍と宇土部隊と十・十空襲

・名護・やんばるの秘密戦「国士隊」

・八重岳・真部山の戦闘

・伊江島での戦闘

・敗残兵となった宇土部隊 ー住民虐殺事件ー

・投降した日本軍

2.名護・やんばるにおける日本軍「慰安所」

・「東洋一の伊江島飛行場」建設における慰安所

・名護・やんばるの慰安所

・飢えという問題と「性」 ー収容地区の中でー

第3章 学徒たちの戦争 ー戦場の記録2ー

はじめに

1.沖縄県立第三中学校と沖縄戦

・「招集」八重岳と多野岳へ

・「臣民ノ育成」と「国防競技」

・「すべては戦争のために」学問から勤労へ

・三中と武田薬草園

・営門となった校門 ー軍事教練という授業ー

・三中と十・十空襲

・302高地、八重岳・真部山の戦争

・多野岳の戦争

・解散、そして家族のもとへ

・米兵・東フランクと三中学徒・東江康治

・様々な戦場を体験した三中生徒と卒業生たち

2.県立第三高等女学校と沖縄戦

・県立第三高等女学校の設立

・兵舎化する学校

・日本軍の配備と病院の設立

・十・十空襲と三高女

・看護教育と三高女

・八重岳の陸軍病院名護分院(八重岳野戦病院)に派遣

・八重岳野戦病院(陸軍病院名護分院)

・病院の状況

・八重岳からの撤退

・大宜味村に御真影と教育勅語を掲げ避難

3.鉄血勤皇隊の沖縄戦 ー名護・やんばるを中心にー

・戦時体制下の県立農林

・勤労動員から戦闘動員へ

第4章 やんばるの少年兵「護郷隊」 ー戦場の記録3ー

はじめに

1.やんばる全域から集まった少年たち

・名護国民学校に集まった少年たち ー第1次招集 名護国民学校

・第32軍に翻弄された招集と配置 ー第二次招集 謝花国民学校

・連鎖する「穴埋め」招集 ー第三次招集 羽地国民学校

・第二護郷隊の第二次招集 ー歩いて恩納村安富祖国民学校へ

・鉄血勤皇隊の招集 ー根こそぎ招集

・過酷な教育訓練

・「死」をもいとわない遊撃戦(ゲリラ)訓練

・陣地構築と食料備蓄

2.護郷隊の戦争

・第一護郷隊の戦争

・第二護郷隊の戦争

3.陸軍中野学校と沖縄戦

・陸軍中野学校出身者の主任務と役割

・一ツ岳に潜伏した特務隊

・各離島に配置された離島残置諜者

・おわりに

第5章 もうひとつのやんばるの沖縄戦 ー戦場の記録4ー

1.沖縄戦と愛楽園

・戦時体制化がすすむ愛楽園

・愛楽園の戦争

・終戦と米軍による戦後復興

2.やんばるへやってきた「御真影」

・やんばるへやってきた御真影たち

・山中をさまよった御真影

・沖縄にやってきた御真影

第6章 戦争と戦後の狭間で ー北部の民間人収容地区ー

1.民間人収容地区のはじまり

・米軍上陸から戦闘の終息まで

・戦闘の終息から対日戦争の終結まで

・対日戦争の終決以降

2.山での避難生活と米軍による収容

・山での避難生活のはじまり

・やんばるでの食べ物

・「避難民」という立場を生きる

・山での避難生活のおわり

3.避難民と収容地区 ー田井等収容地区ー

・膨れ上がる収容地区の人口

・住民の収容と田井等収容地区の形成

・収容地区の組織化と住民の生活

4.追憶の川上カンパン

・プロローグ

・ああ!川上カンパン

5.旧久志村の民間人収容地区

・戦争が来た

・軍民入り乱れる山の中で

・住民の下山

・米軍政と住民 ー収容第一期

・収容地区の暮らし

・収容第二期 ー日本敗戦から帰還まで

6.旧久志村の12集落で暮らした人々

・戻ることが許されなかった天仁屋の人々

・米軍・住民・避難民の食糧事情 ー嘉陽ー

・住民と避難民の食糧事情 ー安部ー

・終戦後も多かった避難民 ー三原ー

・避難民と盗りあった食料 ー汀間ー

・収容地区の中心地「瀬嵩市」

・避難民を襲った食料不足・マラリア ー大浦ー

・2つの「市」になった二見

・道路にあふれていた避難民 ー辺野古ー

・統合された久志市の中心地、久志グヮーとミヤランシン地区と呼ばれた字豊原

7.『墓地台帳』『死亡者名簿』から見る瀬嵩収容地区

・詳細な図面が附された『瀬嵩 墓地台帳』

・『汀間市 死亡者名簿』を読む

8.強制収容された本部半島の人々 ~大浦崎収容地区~

・米軍上陸から大浦崎強制移住まで

・草木も生えない大浦崎へ

・大浦崎収容地区の暮らし

・帰郷後も苦難は続く

・収容されなかった瀬底島

9.久志村の中にあった「伊江村」

・「不沈空母」伊江島と住民

・故郷の島を離れて転々と

・「久志の伊江村」での暮らし

・渡嘉敷の伊江村民

・島に帰って

・久志区民の願い

10.収容地区の「終焉」

・再定住計画の概要

・軍政地区の設置

・再定住計画の破綻

・収容地区の「終焉」

第3部 戦争とは何か

序章 戦争とは何か

はじめに

1.戦争は繰り返されてきた

2.戦争は全てを破壊する

3.肌で感じる戦争

4.沖縄県民が問う戦争の意味

5.変質しつつある「戦争」

6.本章の構成について

第1章 戦争の意味は、なぜ人によって違うのか

1.世代に撚る戦争体験の違い

・学童期での戦争体験

・青年期での戦争体験

・成人期での戦争体験

2.戦争と女性

・前線化する銃後の生活

・銃後と年齢と性差

・中学校と女学校でつくられたジェンダー

・軍人への憧れ

・兵士を守ったという姉妹の霊性

・未婚女性の体験

・既婚女性の場合

・戦場と性暴力

3.米軍保護下の住民と戦争被害の心理的側面

・米軍野戦病院の精神科

・宜野座野戦病院の精神科

・真喜屋野戦病院の精神科

・生存者の心理

・自殺とアルコール依存

・「死者か行方不明」であるということ

第2章 市民生活に見られる戦争の負の破壊力

1.戦争による伝統社会の崩壊

・軍国主義体制下で崩壊した地域社会

・不問の戦争責任

・海外移民・徴兵忌避に見る国家への抵抗

2.家庭および夜会規範の崩壊と再構築

・戦争イデオロギーの崩壊

・米軍占領下での新社会の模索

3.市民意識の変化

・「沖縄戦」の風化と、体験談を継承することの重要性

・辺野古への新基地建設

個人誌に刻まれる戦争体験の百態

はじめに

OKINAWAN ー帰米二世の追憶 東フランク

中国北部(旧満州)生活とカザフスタン抑留 屋部高志

学童疎開の戦争体験 宮城良夫

三中鉄血勤皇隊の生き残りとして 安谷屋晋作

東江原の戦争 崎間康雄

敗残兵の記憶 中竹登

看護婦として昭和時代を歩む 比嘉和子

北部で体験した沖縄戦 岸本ミツ

無血の島 宮田保

日米両軍に翻弄された伊江村住民

ー私と兄の戦争体験ー 山城利正

年表

用語解説

話者一覧

協力者一覧

索引